プランダーゲーム

上村あかり

プロローグ

「葵!お風呂に入りなさい!」


「もう!昨日もお風呂に入ってないでしよ!女の子なんだから、いい加減にしなさい!」


怒りながら、母親が部屋に入ってきた。


それにも見向きもせずにゲームを続けているのが、夜神葵。高校1年生だ。


葵はゲーム中毒。


せっかく、受かった高校にもほとんど行ってない。


「明日入るから」


虚ろな瞳で、そう答えるのがいっぱいいっぱいだ。


父は呆れた顔で言った。


もう、ほっとけと。


母は吐き捨てた。


産まなければよかったと。


弟はさげずんだ目で笑い飛ばした。


お前みたいな姉は恥ずかしいと。


独りぼっちになった葵は、ますますゲームの世界にのめり込む。


回りなんてどうでも良かった。


ゲームさえしていれば孤独も感じない。


それが、子供なりの孤独から逃げ出す方法だったのかも知れない。

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