天孫の血をひいておる「|証《あかし》」のひとつじゃの
「て、天から……」
あたしも雄治も、驚きのあまり声が出なくなる。
いや、確かに記紀神話にもそう書いてあるんだけどね。いまや二一世紀。宇宙(人)考古学ってのも念頭に置かなきゃダメだ、ってことは充分承知してるよ。実際そういう認識だったしね。
でもさ、直接卑弥呼様からそう伝えられると、やっぱ驚くわけよ。そりゃそうでしょ!?
「
「!!」
「しかる後に、
「なるほど。やっぱそうですか……」
「ニニギ殿は地上に降り立ち、コノハナサクヤとまぐ
卑弥呼様は衣服の片肌をまくり、あたしと雄治に見せる。そこには薄くウロコがあり、背中の真ん中には少し長めの白い産毛が、タテガミのように生えていた。
「あっ!!」
あたしは突然、閃いた。
半分脱ぎかけて脛に絡まっていたジーンズを、脱ぎ捨てる。
「これですか」
あたしは自分の脛を、卑弥呼様に見せた。あたしのほぼ唯一のコンプレックス、まるでウロコのような脛の皮膚。これってもしかして……つまり、そういうこと!?
「そうじゃ」
卑弥呼様は一瞥するなり、頷く。
「それも、そなたが吾(わ)ら天孫の血をひいておる『
そうだったんだ。現代では魚鱗癬といって、皮膚病の一種だと説明されているけれど、そうじゃなかったんだ。龍の遺伝子が混じってるからなんだ。――
「天孫
あたしは伊勢海老と宮崎牛ステーキと高級マンゴーを無理矢理一気に口の中へ突っ込まれたような状況。怒涛の衝撃的事実に目玉がひっくり返り、言葉を失う。そんなあたしと対照的に、傍らの雄治はそれをさっさと咀嚼した上で、冷静に卑弥呼様へ問いかける。
「卑弥呼様。現代では『進化論』と言って、生物は全て自然に発生し、次第に進化したと
「阿呆ぬかせ。
「テラフォームですか」
「おう、それじゃ。それが一番手っ取り早かろうが。史にもまさしく、そう書かれておる筈じゃが、気付かなんだか?」
「なるほど……」
いやホント、衝撃的過ぎる。
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