第20話 かみのやしろに

 神の社に、狐が一匹。

 祝詞を上げる神主の前で、ひたすらじっと座り込む。

 やがて立ち去る狐の口には、大きな大きな油揚げ。

 祀っているのは、お稲荷様。


 神の社に、蛇が一匹。

 祝詞を上げる神主の後ろで、とぐろを巻いてじっと待つ。

 やがて立ち去る蛇の口には、小さな小さな龍の髭。

 きっと、これから修行の旅に出るのでしょう。


 神の社は、今日も宴の真最中。

 祝詞を上げる神主の隣で、神様たちがあれやこれやと大盛り上がり。

 我等を祀りし人の子に、弥栄いやさかあれと、笑い微笑む。

 偶には、神様だって羽目を外しても、いいよね?

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