第5話 いろのあふれる

 漆黒の世界から、目を開ける。

 最初に見るのは、白い天井。

 クリーム色の布団から出て、私は大きく伸びをする。

 今の私を包むのは、薄い黄色の可愛いパジャマ。

 藍色のカーテンを少し開ければ、空色に咲く黄色い太陽。


 赤いカップにオレンジジュース。

 緑のサラダにオーロラソース。

 ピンクのハムと、少し茶色に焦げたパン。

 灰色のドアを開けて、外に出る。

 昨日の雨はもう降り止んで、視線の先にはアーチを描く大きな虹。


 色の溢れる、この世界。

 私の傍にも、彼方の宇宙そらにも。

 人の数だけ、色が生まれる。

 星の数ほど、色は輝く。

 そうして世界は、今日も明日も明後日も。

 未来永劫、輝き続ける。

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