第6話 冒険始めました。
俺は今日で7歳になった。
すでに魔法は魔術本に書いている全ては習得した。
しかもオリジナルの自分専用の魔法も開発できた。
多分他にはまずは、いないだろな
簡単に言うと魔法に必要な方程式を理解できないからだ
「今日からお父さんと冒険する?」
朝食後にクラークがそう提案してきた。
「行く!」
ぶっちゃけ実力を試したい!
剣の方は毎朝の訓練でクラークとするだけでは強くなったのかがわからん。
クラークと模擬戦をしたらたまに勝つことはできるようになっていたけど……。
それはクラークは一切手を出さない前提だけどもね。
まあ大体クラーク親馬鹿だから、俺が強くなって勝っているのかが当てにならないしね……てか俺に木刀で殴られて嬉しそうに満面の笑みをするのは止めて欲しい。
へんな性癖を開眼させたかと思って心配になるから…。
俺には魔法があるから多分魔物も負ける気はしない!どっかの戦闘民族のハーフ並みに強いと思っていた。
かと言って、一人で村の外に出るような勇気もなかったから、ちょうどよかった。
「ラーク用の剣」
まるでどっかの猫型ロボットが、ポケットから秘密道具を出したような雰囲気で出してきたな。どこからそんな知識を覚えてきたと、小一時間は問いたい。
「は、承ります」
俺が膝まづいて受け取ると、抱きつく気配を感じたので俺はひらりとよける。クラークは「なにっ?」と、つぶやく。
ふふ、俺の修行の成果をみたか!
俺は代わりにシールに抱きニヤりと笑うと、悔しそうな顔をするクラーク。
「ラークも7歳になったのだからお祝いね、でも無茶したら駄目よ!」
シールが俺の頭を撫でてきた。
「うん」
この世界は生存率が低いので7歳になるとお祝いをする。
それは「よく生きた」というお祝いだ。乳歯が生え変わる歳まで生きたことは、それだけ大人になったということでだそうだ。
日本でいう七五三のお祝いと一緒だ。
「ラーク、どこ行くの?」
俺がクラークと村を出ようとしたときに声をかけてきた者たちがいた。
「父さんと冒険」
俺が答えると。
「いいなあ!!!」
と、答えたのは俺よりも2歳年上のリリス、彼女は来年には成人を迎えるので冒険者にあこがれているみたいだ。
よく家まで来て、クラークに付きまとうように、いろいろと冒険者の事を聞いていたから、村の外に魔物を狩りに行ける俺のことが、うらやましいのだろう。
「上手く狩れたら、みんなに肉を分けてあげるよ」
俺がそう言うと。
「ならお礼にラークを嫁にしてやる」
「だから、男だから無理だって言っているだろが!!」
何度言ってもこの村長の息子のポポは俺を嫁にすると言ってきかない。
俺がシール似の女顔だから勘違いしている思って、彼は説明したが納得してくれない。
仕方なくチンコを見せても「でもいい、結婚する」と言い切るのだ。ちょっとこの馬鹿をなんとかしてほしい。
「ラークは絶対、結婚させん!」
「そこ?ツッコミがなんか違う……」
どうも
クラーク……もう……段々とあなたが怖くなってきました。
「いいか、よく狙って、落ち着いてな」
クラークは俺の耳元でささやく。
俺は弓を引き。
「いけ」
俺は風の精霊魔法を無詠唱で発動してから矢を放つ。
風の魔法は矢を誘導させて、角の生えたウサギの頭を確実に打ち抜く。その姿はファンタジーの世界ではよく雑魚として出てくるホーンラビットというやつだ。
ちなみに
今は威力を落としているがその気になれば木を貫通するぐらいの破壊力と、試してはないけど多分10キロ先でも狙えられる。
これは中学レベル科学と三角関数、対数、虚数などが理解できる人なら、魔法の方程式組み合わせして誰でもができるはずだ。
残念ながらよくライトノベルでよくある【転生してユニークスキル的なチート能力】はゲット出来なかったが、前世の記憶でなんとかそれっぽくできている。
「すごいぞ!!やっぱり俺の息子だ!」
後ろから抱きつかれた、仕方ないキスをしないなら許そう。
「ちょっと俺に解体させて父さん」
俺はクラークの持っていたナイフを借りるとホーンラビットに近づき、てきぱきと血抜きと内蔵処理を済ませていく。
田舎育ちの俺は猟師だったの爺さんから兎や鶏や猪の解体方法は習っている。
……ちょっとトラウマになったけどな。
それとクラークにも解体方法は教えて貰っていたから、不自然ではない。
「へぇー流石だ、俺の息子! でもなんで初めに喉と腹を切った?」
「こうして血を抜いたら美味しく食べれるって……本で読んだんだよ」
普段、本を読むことがない
「そうなのか、今度からそうする」
よしっ!これで肉が美味しくなる。これで食生活が良くなって行くぜ!!
もっとクラークに早く教えてもよかったけど、こればかりは狩った直後にしないと駄目だからな。
実はシールにも、いろんな料理の仕方なんかを、こんな感じで教えている。
例えば豚の顔をした魔物……ファンタジーの世界ではオークと言われている奴だ。
その骨を煮込んでスープを作らし、木灰を水に浸した上で上澄みをすくった液を、小麦粉と混ぜて麺を作り豚骨ラーメンを作らせた。
出来たのはどちらかと言うと麺は沖縄のソーキそば的な食感で、隠し味の醤油がないので豚骨ラーメンとはちょっと違うがそれなりに美味かった。
これを食べたクラークとシールは感動して、俺を褒めたたえ……二人に濃厚なキスされた。
この世界…‥もしかしたらこの地域だけかもしれないけど、麺と言う文化はなくて、主食の麦はそのまま茹でて食べるか、ナンみたいな不味いパンを作る原料でしかなかった。
だからパスタの作り方を教えて乾麵のパスタを作らせた。
小麦粉を水と練ってから麺状にしてから、風魔法で乾燥させたら出来上がり。
食生活の大革命だろ。
なぜならこの世界には保存食は干し肉とか乾パンぐらいしかなかったから、日持ちがしてお湯で茹でるだけで美味しく食べれるパスタは、この世界では世紀の大発明だろう。
ちなみにうどんとそうめんの乾麵も作った。塩水と小麦粉を混ぜて、練ってから延ばしていく手延べ式だ。
ぶっちゃけ乾麵パスタは、すでに村の産業になっていた。おかげで地方の小さな村の割には裕福にはなりかけている。
俺が思い付いたことは村のみんなには伝わっているので、すっかり神童扱いにはなっている。
……だからなのか、村長は一人息子のポポに俺と結婚でもしろとか言っているのかもしれないが……勘弁してくれ………転生時にモテモテ男は希望したが
「思っていたよりも獲物が少な過ぎるよなあ、今日はもう無理かもな」
クラークはそう呟いた。クラークによると、ここまで森の奥に来なくても獲物は沢山いるそうだ。今日に限ってはさっきのホーンラビット一匹だけしかいない。
「兎一匹だとかっこ悪いなあ」
正直、出がけにあんなこと言った俺としては、正直オークぐらいは狩りたい。
「このままだと夕方に、村に帰れなくなるから、今日は切り上げるか。……それとも…そっか、お父さんと二人っきりで野宿するか!!」
「村に帰ろう!今すぐ!」
自慢げに一晩中、野宿のコツを語りたがる
クラークが立ち上がり剣を静かに抜く。今までに一度も見たことがない真剣な表情。
「ラーク、逃げるぞ」
そして今までに聞いたことのない低い声、だがとても落ち着いた感じの声だった。
えっなに?突然なに?と思っていると、嫌な気配とうなり声がクラークの見ている方向からする。
「ぐるるるるるるる」
そこに現れたのはライオンのような頭と鬣、狼のような黒い胴体、蛇のような尻尾をした姿のモンスターがゆっくりと歩いてきた。
ゲームとかのファンタジーで有名なキマイラと言う魔物にそっくりだった。
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