第3話 父親はおれと仲良くしたい

「ラークちゃん……ハアハアハア……可愛いなあ、可愛いからキスしよ」



赤い顔をした男が、俺に近づいてくる。

俺の身体を掴もうと手を伸ばし、あと少しで捕まる。



そして俺に抱きついてキスしてくる。




「父さんは酒臭いからイヤだ」



俺はクラークの抱きしめから、必死に逃げてシールが居る方に逃げる。


男となんかキスをつもりはねえよ。




「もうラークが嫌がっているでしょ、もう取り上げ」


シールがテーブルの上にあるワインらしきお酒を取り上げる。



「えっ待って、お願いします。もうしません」



慌てたクラークがシールの足にへばりつき、情けない声をあげて許しを乞うている。



……とまあ……いつもの光景が展開されている。


今は村近くの森で、魔物を狩る仕事を終えたクラークと晩飯を食べていた。


俺はクラークの泣き声を聞きながら、自分の椅子に戻り、食事に口をつける


「うえっ」


この世界の食事は現代の日本とは異なり、正直言ってまずい。


昔、海外旅行で行った事のある、イギリスの料理よりもまずかった。


別にシールが料理の腕が悪いわけではなく、村の結婚式に行った時にほかの家の料理食べたことがあるけど、同じどころかそれ以上まずかった。


小麦粉らしきものをただ練っただけの物を、直火で焼いただけのパン。塩味が全然足りない煮込み料理。それも肉は臭みのある肉を、ただ鍋にぶち込んだだけ物をわずかな塩味で食べる感じだ。

肉も臭みのあるただ切った肉に、塩を振りかけて焼いた肉だった。


多分……血抜きをしていないかもしれない。


もしかしたらクラークが血抜きの仕方を知らないだけなのか、この世界での常識は血抜きをする事がないのかわからないので、まだなにも言ってはない。


3歳児が『狩ったら速攻で血抜きをしてよ、そうしないと美味しく食べられないから』と言ったところでうす気味が悪いと思われる。


だからクラークの酒を飲みたくなる気持ちがよくわかる。飲んでいないとやってられないぐらいの不味さだ。



「ねえねえ、父さんは母さんみたいに水とか火とか出せる魔法が使えるの?」


シールから酒を取り戻して、やっと落ち着いたクラークに聞いてみる。


「えっあっいや……母さんが上手いから父さんは覚えなくてもいいから……」


とまあ、目がちょっと泳いでいるクラーク。


まあ当然かこの脳筋クラークが、魔法で必要な計算ができるとは思えない。


「お父さんはお母さんみたいな魔法は全然使えないけど、身体強化魔法で力持ちになったりできるのよ」


そう言って、シールが助け舟を出してきた。


「そうだぞ、これでも冒険者の中では1番強いと言われたぐらい力持ちなんだからな、どうだ父ちゃんはかっこいいだろ!」


と俺に自慢げに話してくる。


まあそうだろうな。

牛以上の大きさのイノシシの姿をした魔物……ワイルドボアを、一人で持ち上げて運んでいるのを見たことがあるから、魔法を使っているとは思っていた。



「どうだ、すごいだろ、お父さんかっこいいって言ってみて!」


「絶対にいやっ」


またクラークが俺に抱きついてきたのでわざと大げさに、逃げてシールの胸に飛び込む。Gカップはあろうかと思う胸は、俺を優しく受け止める。


俺は抱きつきながら、シールの肩まで伸ばしたを触る、艶やかな茶色の髪をしていて触ると心地がよい。


そんな俺を抱きしめるシールは優しく微笑みかけてくれる。


前世ではマザコンにはならなかったが、断言してもいい!

俺はマザコン王になる。


さみしそうにしているクラークには悪いけど、抱きつくならオッサンよりも美女がいい。



でもクラークが、俺の事をすごく可愛がっているのはよくわかる。


初めての子供だから余計にだろうが、朝の仕事狩り行く前にとか仕事狩りから帰って来たら真っ先に俺を探して俺を抱きしめたがる。


まあ父親だし、いやってことはないけど、男親がべったりなのはさすがに困る。


前世の俺の親父みたいに、息子の俺に全く無関心なのに比べたら全然いいけどね。





「そうだ、そろそろラークにも剣の使い方を教えてあげようか?」


と俺に言ってきた。




「まだ早いでしょ」


とシールはあきれ顔をする。




「いやいや、シール!英才教育っていうやつで、ほらキリクは覚えてるだろ、あいつは1歳ぐらいから剣を振っていたから大丈夫だって」


「キリクって獣人じゃない、無茶よ」


えっ獣人もいるのこの世界、やっぱりもろにファンタジーだわ。


まあクラークは訓練と言う名目で、俺と遊びたいからそんなこと言っているのはわかるけどな。


おいおいそんなに目をキラキラして俺を見るなよ。


前世では運動神経が皆無だったから運動は苦手だぞ。


それは遠慮するぞ!!


そんな無茶なことは断れ!という思いでシールを見つめる。


「ラークはそんなにしたいの、わかったお父さんの子供だしね、まあいいわ。明日からいいわよ」


おいおい、違うって俺は『やりたくない』っていう意味で見たのであって、頼んだわけじゃあないよ。


「やったーーー! ラークと遊べる!!」


大喜びするクラーク。もう否定が出来ないぐらいの勢いで、部屋中飛び跳ねている、ここで「いやだ、父さんとはやりたくない」なんて言ったらどんだけ落ち込むだろな、はあ……仕方ない親孝行だと思うか。


俺は魔法使いでいいのに………。












「あっだめ、ラークが起きちゃう」



「大丈夫だって」



「あっもう」



同じベットで寝ている俺の真横で、クラークとシールがやり始めた。


この夫婦は仲がいいから、かなり頻度でセックスしている。


子供と一緒のベットで寝ているのに、遠慮するってことを知らないのかと思うぐらいだ。


まあ前世の俺の親みたいに、冷めた関係に比べたら健全だけどね。



俺は中身は大人なので声をかけることなく、二人の営みを観察してしまう。

まあ二人とも体型がモデル体型というか、彫刻のような理想的なスタイルだから見ていても楽しい。


精神的に興奮するけど、肉体的にはまだまだ早いって感じで、興奮する事もなく身体が反応をすることはない。


全裸になった二人が69の体制で舐め合ったり、騎乗位でしたりと激しく求めあっている。


前世でAVしか見たことのない俺にとっては、刺激が強すぎるが……。


いろいろな体勢で激しく突くクラーク、そのたびに喘ぎ声をあげるシール。


何でシールみたいな絶世の美人と、クラークみたいな平凡な顔の男と結婚出来たのか初めはわからなかったが、最近分かった。


とりあえずクラークのあそこがでかい、俺の腕ぐらいはある。


前世ではセックスをしたことないが、かなりの数のAVを見てきた俺が言うのもなんだけど、クラークはかなりのテクニックがあるってことはわかる。


やっぱりエッチ上手はもてるのね。


最後に正常位でするときに、クラークは俺の方をみてウィンクして微笑んできた。


奴はクラークは俺が起きていること気づいているのか!


子供に見せつけて興奮するなんか変態じゃあねーか。








…………多分近いうちに俺に弟か妹が出来そうです





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