第2話 魔法覚えるぞ!

1.魔法覚えるぞ




この世界に生まれてから3年ぐらいたった


まあ俺の方と言うと、この世界の言語もわかり、世界のことがなんとなくわかってきた。


生まれすぐは見えなかった目も段々と見えてきて、今では周りの状況もわかってきた。


俺はある若い夫婦のもとに生まれたみたいだ。


母親の名前はシールと言う名前で23歳、元々は冒険者だったそうで魔法使いだ。見た目はスタイルがよく、胸が大きくGカップはあるかと思われボッキュボンな体型、その上顔が絶世の美人だから、もう最高。


……嬉しいことでなかなか乳離れが出来なかった(笑)


俺はまだ自分の顔を見れていない。でも会う人みんなにシールとそっくりと言われるのだからきっとイケメンなんだろう(よっしゃー!)


ちなみに父親はクラークと言う名前で、顔はイケメンと言うほどではないが、愛嬌があり、そこそこ整った顔立ちで25歳。しかも髪の色は緑色であるから、初めて見たときはびっくりした。


この世界では緑や青や真っ赤とか原色系の色の髪は珍しくなく、ほかの村人もそんな感じ多くまともに見るとまるでアニメキャラみたいな髪の色の人がたくさんいた。

その上アジア系の顔立ちだから、初め見たときは違和感でびっくりしていた。


クラークはシールと一緒に冒険者をしていたので、筋肉質の引き締まった身体で男の俺が見てうらやましいと思う肉体だ。


二人は結婚を機に冒険者をやめると今まで貯めたお金で家と土地を買って、この村で暮らしだしたと言う。村の方としても腕っぷしの立つ元冒険者が村の護衛として、定住してくれるからかなり歓迎されている。


その証拠にシールにつれられて村に行くと、みんなからは声をかけられ人気者なのがわかる。


こんな田舎の村で、しかも世帯的に30世帯ぐらいしかない、小さな村だから冒険者が来ることが少なく、村を守ってくれる人がまずいないそうだ。


その上シールは魔法で治療ができるから、村のみんなは村のためにいろいろとしてくれる両親に感謝しているみたいだ。


クラークは毎日のように村の近くで魔物を狩ることで、村の被害が無いようにしている。


ちなみにさっき狩ってきた、牛並みにデカい巨体な狼みたいのを見た時はかなりびびった。


つまりはこの村から出ると、魔物とかに襲われて危ないってたものわかった。


そうそう俺の名前はラークとなずけられ、父親からクの一文字取っという単純な名前、まあ日本人と違って名前にはとくに意味を持たせないのだろう。


俺の正式な名前が『ラーク=マルト』……マルト村在住のラークさんってと言った意味になる。村のみんながマルトと言う性が付く。ちなみに引っ越すと名前がその村の名前になるってことらしい。


ちなみに冒険者は村や町に定住しないので、名前だけになるそうだ。


そしてここで一番驚いたのはこの世界には月が二つもあり、その二つある月の重なり合いで時間や、月の単位を決めている。40日で一月、それが10か月で一年、つまり400日で一年_なので、地球の365日よりも一年が少し長い。


勿論、この世界にも金が存在し、ギルと言う単位の金貨が流通をしている。10ギルほどで主食の小麦粉みたいな物が一袋ほど買える。


まあここまで簡単にいったらライトノベル系のファンタジーの世界感と一緒、まるでテンプレ道理ってことかな。



俺は洗濯物を干しているシールにむかって。



「ねぇーねえー母さん、魔法見せて」


子供らしくシールに甘える。


「もうー今は洗濯しているのに……ちょっとだけよ」


そう言うと、シールは手を止め俺に見せるように手を向けて。


「……水の精霊よ、我の意思を使い水を導き給え」


手のひらからテニスボール大の水の塊が出てくる。


「すごっい、僕も覚えたい、ねえねえ教えて」


前世でライトノベルを読みそれで魔法使いにあこがれた事もあった俺は、こんな環境に生まれたら、そろそろ親が使っている魔法を覚えたい。


「ラークにはまだ早いかな?これってかなり難しいのよ、それに疲れるし、あんまりすると気を失っちゃうし……適正もあるしね」


さすがにシールにはまだ早いと咎められるが、こんな世界に来たからにはとっとと使いたいのが男のロマンと言うものでしょう。


「お願い、ほんのちょっとだけ」


と言い、子犬のようにシールの足にまとわりついて頼んでみる。


「もう……お父さんみたいな頼み方、ほんとよく似ているわね」


実はクラークはこんな頼み方いつもしているのだ……夜には、『晩酌の酒をもう一本増やして』と、確かにこんな感じでおねだりしていたな。


「じゃあ手伝ったら教えてあげる」


「はーーい」


俺は率先して手伝うと『すごいラークはお手伝い上手』って……まあ一人暮らしの長かった俺は家事の大半はできたし、実際中身は30超えたオッサンだから出来て当然だわ。






「じゃあラークが手伝ってくれたから教えるけど……あんまり無理をしないでね、本当なら10歳の成人までは、魔法ってあまり使わないからね‥‥‥‥まあ使えるのはかなり難しいからなかなかできないでしょうけど!」


と一人息子の俺に甘々なシールが、いろいろと教えてくれた。




魔法には、精霊魔法と精神魔法の二つある。


精霊魔法は火、水、土、風、闇、光があり、その属性の精霊を精神力で呼び出して使用する。

だから、属性の物体が近くになくてはいけないし、近くの火、水、土、風、闇、光のバランスを考えて周り精霊を感知して、それに合わせて魔力を計算をしてから、精霊に組み合わせて手から魔力を放たなければいけない。


つまりは計算能力が必要になる。



精神魔法は要は魔力だけで発動する魔法で、術者の身体能力を強化とかができる。


でも精霊の助けもないので莫大な魔力が必要だが、精霊魔法に比べたら計算のできない剣士とかには好評でよく使うそうだ。


しかしどちらの魔法を使うのには、魔法適正がないと無理だそうだ。


精神魔法は身体から魔力を引き出す能力が必要で、シールがいうには耳が動かせる人と動かせない人がいるのと同じぐらいの割合らしいという……すごくわかりにくい例えで教えてくれた。


精霊魔法を使うのにはその魔力を使う能力は勿論の事、精霊が見える能力と計算を暗算で解けることが必要という事だ。


そしてシールは俺に冒険者時代に買った魔術の本をくれた、まだ俺には読めないと思ってくれたのだが、すでに字は読める俺にとってはありがたい話だ。



それから本を読み、誰もいないところでいろいろと試してみた。



まずは精神の統一してと……どうやら俺は耳を動かせるほうだった、手からはあふれ出るような力を感じとれた。


魔力を引き出すことに成功した俺は、目に魔力をめぐらしてみる。


すると周りに光輝いて見える精霊が感じ取れた。その場にいる精霊を数えて、頭の中で精霊の数を計算して必要な計算式を思い浮かべながら、体内の魔力を削っていく。


「‥‥‥水の精霊よ、我の意思を使い水を導き給え」


身体の中から力が抜けていく、俺の手のひらにはゴルフボール大の水が浮かぶ。



うっしゃっっっや……やったぞ、俺は使えるみたいだ。


計算式は少し難しいけど、俺は元々は理数系で計算は得意だ、これぐらいの計算は簡単にできる。


でも一度使うとものすごい疲労感が襲う、あまりやると魔力が枯渇して気を失うから気を付けてやらないといけない。


まだ自分の身体子供だから魔力がかなり少ない、だからしかたないな……。






毎日午前中はシールの家事の手伝いをして、午後は誰も来ないところでシールから隠れるように魔法の練習をする。


まだ子供の俺が魔法を使うのはばれたくない、魔法を3歳児が使っていいわけない。


見た目は子供、頭脳はオッサンだからな。



『あれ?でもこれって』


一人で練習していると魔法発動の計算式に、かなりの無駄があるを見つけてしまった。


地球での現代の方程式とかいろいろと知っている俺にとっては、どう考えても略化できる方程式があるのがわかってしまう。


これをいじればどうなるだろ……やってみるか!


「水の精霊よ、我の意思を使い水を導き給え」


呪文で精霊を呼び出すと略化した方程式で計算して……魔力を送り出す。


するとものすごい力を感じて、巨大な水の塊が出現する。大きさから言えば洗濯機ぐらいの大きさの水の塊。


俺はそのまま思いっきり水をかぶってしまい、全身が水浸しになってしまう。なんだこれは、魔法の威力が強くなり、魔力の消費は少なくなった。



つまりこの方程式を使えば威力があがり消費する魔力を抑えられるのか




もしかしてすげぇ発見かもな……。



ついでにライトノベルでよくある、魔法の無詠唱って奴も、練習してみる。


普通に魔法を使うために、周りの精霊を活性化をしなければいけない。

そのためにはまずは呪文の詠唱を行うことが必要なのだ。

だがしかし、詠唱をしないと発動が難しい魔法でも俺の考えた方程式でやると、特に詠唱をしなくても、あたりにいる精霊の数を数えて計算するだけで、魔法ができるようになってしまう。


俺ってすごくねぇ……かと、自分を自分でほめてやりたい気持ちになる。







こうして俺は3歳にして毎日精神力の限界近くまで魔法を使い、才能を伸ばしていった。


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