「31*ツンデレとカナヅチ」の神社

高津神社(高津宮)

大阪府大阪市/旧府社

難波高津宮の跡地に、当社を建て16代仁徳天皇を祀ったが、豊臣秀吉の大坂城築城のさい、比売古曽神社の境内(現社地)に遷し、比売古曽神社を摂社とした。難波高津宮の跡地は、後に大伴氏の領地となったため、本来の祭神は大伴氏と考えられる。

大阪府(和泉国・摂津国・河内国)は、大伴氏や物部氏の本拠地で、古代からの港湾都市。住吉津にある住吉大社(大阪市住吉区)は、ヤマト王権の神社。仁徳天皇の難波高津宮、反正天皇の丹比柴籬宮、継体天皇の樟葉宮、敏達天皇の百済大井宮など、多数の天皇の宮があり、また、多数の天皇陵がある。


大阪天満宮

大阪府大阪市/旧府社

現在の境内社の大将軍社に、左遷前の菅原道真が参拝、没後に天神信仰が始まり、大将軍社は菅原道真を祀る神社と変わった。大将軍社は、難波京(難波長柄豊崎宮)の西北の鎮護社。古代中国で軍事を司る星神・太白神が、陰陽道の方位神(八将神)の1神・大将軍神となった。


久米御縣神社

奈良県橿原市/式内小社/旧村社

高皇産霊命、天久米命(大来目命)、天櫛根命を祀る。本来の祭神は不明。天久米命は久米氏の祖神で、当地は久米部の本拠地。

久米氏は、古代日本の軍事氏族。新撰姓氏録で、タカミムスビの8世孫神の味耳命の後裔と、カミムスビの8世孫神の味日命の後裔。日本書紀一書の天孫降臨で、大伴氏の祖神・天忍日命(神狭日命)とともに降りる、天久米命が祖神といわれる。詳細不明。久米氏がまとめる軍事的職業部を久米部という。久米氏は九州北部の海人族の阿曇氏という説もある。

神武天皇の東征久米歌、久米舞が有名。


和多都美神社

長崎県対馬市/式内名神大社・論社/旧村社

社地はオオワタツミ(豊玉彦尊)の宮殿跡に建つ。彦火々出見尊(火遠理命)、豊玉姫命を祀る。オオワタツミの子は、穂高見命、豊玉姫命、玉依姫命という。阿曇磯良の墓を囲むよう建つ三柱鳥居、オオワタツミの墓を囲むよう建つ三柱鳥居がある。

海幸山幸の神話で、火遠理命を招き、娘神を嫁がせ、潮盈珠と潮乾珠を授けたのはオオワタツミ(綿津見大神/海神豊玉彦)のため、安曇氏の祖神は綿津見三神でなく、オオワタツミのまちがいか。しかし綿津見三神を祀る志賀海神社も、住吉三神を祀る住吉神社は九州北部の福岡県にある。イザナギの禊を行った筑紫日向の橘の小門の阿波岐原は九州北部という説もある。


志賀海神社

福岡県福岡市/式内名神大社/旧官幣小社

志賀海神社が建つ志賀島は九州北部の海上交通の要衝地。漢委奴国王印(金印)の見つかった島で有名。綿津見神社の総本社。左殿に仲津綿津見神、中殿に底津綿津見神、右殿に表津綿津見神の綿津見三神を祀る。黄泉国の帰り、イザナギが禊で生まれた神。別名を筑紫斯香神といい、安曇氏の祖神。本来の祭神は、安曇氏の始祖・阿曇磯良(磯武良/阿度部磯良)といわれる。阿曇磯良は神功皇后の三韓征討のさい、潮盈珠と潮乾珠を渡し、勝利に導いた。志賀島の全域は神域で、志賀海神社の社家も阿曇氏の後裔。


鳥坂神社

奈良県橿原市/式内小社/旧村社

豊受比咩命を祀る。江戸時代は天照大神を祀ってた。本来の祭神は2座のため、タカミムスヒ(高皇産霊神)、大伴氏の祖神の天忍日命、氏祖の道臣命のうちの2柱と考えられる。大伴氏が神武東征の戦功で当地を賜ったという。


橿原神宮

奈良県橿原市/旧官幣大社

畝傍橿原宮があったと言われる畝傍山の東麓に建ち、初代神武天皇と皇后の媛蹈鞴五十鈴媛命を祀る。1890年に明治天皇が創建。神武天皇即位2600年の1940年に昭和天皇が、神武天皇崩御2600年の2016年に今上天皇が親拝。

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