「23*名草の姫の欲望」の神社
紀三井寺(紀三井山金剛宝寺護国院)
和歌山県和歌山市/救世観音宗総本山
もとは勧修寺(真言宗山階派総本山)の末寺であったが、現在は救世観音宗総本山を名のる。本尊は十一面観音菩薩。西国三十三所巡礼の2番札所。名草山の山腹に建ち、日前神宮國懸神宮と深い関係がある。開基、開山、救世観音宗の開創などの詳細は不明。
名草神社
和歌山県和歌山市/旧村社
名草彦命(名草比古之命)と名草姫命(名草比賣之命)を祀る。名草比古之命は天道根命の5代孫とあり、妻の名草比賣之命は、紀國造・智名曾の妹とある。紀伊国造家・紀氏の氏神とあり、神武東征で殺された名草戸畔の関連は不明。
名草戸畔は、日本書紀や和歌山市の伝承で、名草郡(和歌山県和歌山市名草山周辺)の女族長。神武天皇と戦い、天道根命に殺された。死後、天道根命の後裔・紀氏が紀伊国を治めた。和歌山市の伝承紀氏は、系図で名草戸畔を遠縁に加え、正当防衛とした。地元の伝承で、頭、胴、足(脚)が切り離され、頭は宇賀部神社(おこべさん)、胴は杉尾神社(おはらさん)、足は千種神社(あしがみさん)に埋められたと伝える。和歌山市のいくつかの神社は名草姫命と名草彦命を祀る。総本社は中言神社。
中言神社
和歌山県和歌山市/
名草彦命、名草姫命を祀る。名草姫を祀る神社の総本社。名草郡に12社もあったと言われる。
内原神社
和歌山県和歌山市/
名草山の山麓にあり、大国主命、名草彦命、名草姫命を祀る。社伝で、天道根命の後裔の名草姫命は中言大明神といい、神と人を繋いだと伝える。大国主命は合祀。周辺一帯に弥生時代の遺跡がある。
田殿丹生神社
和歌山県有田郡/
白山の山麓に建ち、丹生都比売命(丹生大明神)と、子神・大名草比古命(高野大明神)を祀る。社伝で、漁猟を生業とする海人族に農業、さらに水銀の産出と加工技術を教えたと伝える。白山の山腹に磐座がある。
丹生都比売神社(天野大社)(2)/丹生酒殿神社
和歌山県伊都郡/式内名神大社/紀伊国一宮/旧官幣大社
高野御子神は、丹生都比売神の子神といわれるが、本来は丹生都比売神を祀る神で、高野山金剛峯寺に神領(社領)を譲ったといわれる。神仏習合のはじまりの神社。仏教伝来で、仏像鋳造で丹生の需要が増え、真言宗とともに全国に広がる。丹生氏は、紀氏の支族で、丹生と名のつく土地、神社に関わる。出自は魏志倭人伝の伊都国(福岡県糸島市周辺と比定)といわれ、丹生の採掘は中央構造線上に沿って行われ、紀伊半島で紀の川を遡り、当社を本拠としたといわれる。
元摂社の丹生酒殿神社(和歌山県伊都郡/旧村社)は、丹生都比売神の降臨地に建ち、紀の川の水で酒を醸したといわれる。
紀伊半島は最大の丹生の産地で、大和鉱床群の東西の端に神宮と日前神宮国縣神宮が建つ。丹生とともに雄黄(石黄)をヤマト王権に献上。当時は貴重な薬品となる。丹生氏はヤマト王権と強く結びついたが、技術の優れる秦氏により、丹生氏と丹生神社は衰える。丹生氏は水銀鉱業から農業へと生業をかえ、丹生都比売神も水神となる。丹生川の流域に建つ丹生神社は高龗神、罔象女神などの水神を祀るが、本来の祭神は丹生都比売神といわれる。祈止雨祈願が行われた。
伊太祁曽神社の奥宮は丹生神社。伊太祁曽神社の社地は、もとは丹生神社が建ってた。
鏡作坐天照御魂神社
奈良県磯城郡/式内大社/旧県社
当地にあった鏡作部が御鏡(天照国照日子火明命)を祀る。天照大神の神宮遷座で、神体となる神鏡を作ったのが当社の起源といわれる。
他田坐天照御魂神社
奈良県桜井市/式内大社/旧村社
30代敏達天皇の置いた日神祭祀を司る日祀部の跡地に建つ。アマテル(天照御魂命)を祀る。当時、日神祭祀は神宮でなく、当社で行ってた。つまり当時は、天皇の祀る日神は、皇祖神・天照大神でなく自然神・アマテル、伊勢国の神宮でなく、大和国の当社で祀ってたとなる。
木嶋坐天照御魂神社
京都府京都市/式内名神大社/旧郷社
天之御中主神などを祀るが、本来は阿麻氐留神社(長崎県対馬市/式内小社/旧村社)の分詞で、対馬県主の祀る天日神命。対馬島、壱岐島は朝鮮半島に近く、ヤマト王権の外交拠点で、その対馬県、壱岐県の出先機関が木嶋坐天照御魂神社、松尾大社の摂社の葛野坐月読神社といわれる。三柱鳥居で有名。
隣に秦氏の祀る蚕養神社があり、祭祀者が秦氏に代わって祭神も変わったと考えられる。葛野坐月読神社も、秦氏の祀る松尾大社の摂社となる。
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