「13*神様、助けて。」の神社

矢倉神社

熊野古道周辺の海岸、流域に建つ矢倉神社と呼ばれる無社殿神社。熊野川の流域は高倉神社と呼ばれ、古代熊野の祭祀場と考えられる。熊野は滝、木、特に石(岩)を神体とする花窟神社、飛龍神社などの無社殿神社が多く、自然崇拝、精霊崇拝の祭祀場、修験場の遺跡が多い。巨岩信仰、丸石(早玉/速玉)信仰は原・熊野信仰と考えられる。

矢倉は城壁や城門の上部に設けられた物見、防戦のための高楼。櫓。矢倉神社の神体に高い岩壁があり、高木、奇岩と同じように神は高い岩壁に降りる。後に高い岩壁を矢倉と呼んだと考えられる。また、高倉も高床倉庫でなく、同じく高い岩壁と考えられる。


熊野速玉大社

和歌山県新宮市/式内大社/旧官幣大社

熊野速玉大神と熊野夫須美大神を祀る。熊野速玉大神はイザナギ、または速玉男命という説もある。黄泉でイザナギとイザナミが別れる時に事解男命とともに生まれた絶縁の神。熊野夫須美大神はイザナミ、事解男命、熊野久須毘命という説もある。熊野久須毘命は、天照大神とスサノヲの誓約で生まれた五男神の5男で、熊野櫲樟日命、熊野忍蹈命、熊野櫲樟日命などの神名があり、楠の神格化であり、熊野は楠信仰があるため。または熊野牟須美大神は熊野結大神と称され、産霊神という説もある。近所の神倉神社が元宮で、故に元宮に対し、新宮といわれる。物部氏の嫡流の穂積氏が神職を務めた。


神倉神社

和歌山県新宮市/村社

熊野速玉大社の摂社。本来は本宮。神倉山に鎮座。ヒキガエルという意の琴引岩が神体。琴引岩は航海の目印となり、火を燃やし、灯台の役目もしたと言われる。高倉下命を祀るが、熊野速玉大社の本宮ならば祭神は熊野速玉大神。また、神武東征で神剣・布都御魂剣(韴霊剣)を降ろしたので、降ろした布都御魂剣が熊野速玉大神。新年の火を迎える御燈祭、熊野権現御垂迹縁起を考えると速玉は流星(隕石/隕鉄)で造られた祭祀用剣・布都御魂剣と考えられる。

または流星となって太陽の一部が落ちた、日神が降りたのが琴引岩で、熊野速玉大神と考えられる。熊野周辺にある無社殿神社の高倉神社と同じく日神信仰の祭祀場。その祭祀者、祀る神が祀られる神になったと考えられる。

または速玉(流星)は、天磐船に乗ったニギハヤヒという説もある。

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