27話ラブレター

その翌日。


昨日の疲れと、


月曜日でまだこれから休日までが遠いという憂鬱からけだるさを覚えていた。


ここで豆知識をひけらかすわけではないが、


自殺者の多くは月曜日にするらしい。


なんだかその気持ちもわかるような気がする。


何も僕は自殺する気はさらさらないのだけれども。


そんな僕ではあるが、


ある一つの決断をしていた。


それは・・・


また後々話すとしよう。


別に焦らすわけではない。


すぐにわかることだ。


行動に移したのは、


午後の休憩時間の10分だった。


彼女が席を立って、教室を離れた瞬間だった。


僕は彼女の机の中にメモを書いた紙きれを放りこんだ。


そこには僕の名前と、


電話番号、


そして


「もしよかったら仲良くしてください」


という恋愛ど素人感満載のメモを書いてあった。


自分としてはずいぶん思いきった行動だ。


放りこんでからはドキドキソワソワもいいところだった。



正直ここの高校を受験するときよりも緊張している。


休憩時間の終わりを告げるチャイムが鳴る。


皆一斉に席に着く。


もちろん後ろの彼女も例外ではない。


奥手の僕には正直これしかできなかった。


これが精いっぱいだった。


それでも僕にとっては大きな第一歩であった。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る