26話偽善

僕たちは、


「ありがとうございます」


といって深々と頭を下げた。


本日の最高額である。


市民にいいところを見せようという思惑なのかもしれない。


でもそのときの僕には、共に今日1日戦った戦友に贈ったハナムケにも思えた。


この際本音とか、深い意図とかどうでもよかった。


「さあ帰るぞ」


顧問の先生の鶴の一声で皆一斉にバスに乗り込んだ。


揺れるバスの中、今日1日の疲れから、


僕は深い眠りについた。


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