第4話

_管理人からアイテムを借りまくって、複製しまくれば良いじゃないか?

そうすれば、自分だけにしか例え使えなくても……。

いつか、どんな時にか役立つ時が来るのではないか?

そんな風に御考えの読者が居るかもしれない、嫌っ絶対に居ると仮定して……。

話を進める、いや進めさせて貰うぞこの際。


_それは、自分でも考えた。

大いに考えた。

だが、出来ない。

結論から言うと、出来ない。


_何故なら、それをやると能力のキャパシティーを削る事になる。

複製は、言うならば具現化だ。

この世に存在せしめる為のリソースは、自分な訳だ。

つまり、自分の手元から離れただけ。

ただ離れただけ、ただそれだけ。

ただそれだけで、消滅するクオリティーの複製もある。


_もはやお笑いであって、手品の類となる。

複製といっても、肝心な存在感は希薄になるから遠目でもヤヴァイ相手ならバレる。

手品としても使い道が無ければ、自分の能力は見世物にすらならないという事。


_だから、早々に自分でも大いなる野望は斬り捨てた。

泣いて斬り捨てた。

自分の能力に、本当は誰よりも自分が夢見てた事に気付いた。

その日から、今もずっと本当は眠れてない。

どこかで、悔しさを引きずって居るンだと思う。

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