第2話

俺は佐藤真司。ごく普通の高校生1年生。特別頭が良いとか運動神経が良いとかでもない。ルックスも普通。平凡な高校生生活を送って大学に行ってとごく普通の人生を歩むはずだった。そんな俺の人生を狂わす出来事が起ころうとしてるとは誰も想像つかなかった。

夏休みも終わり始業式の日。俺はふと学校の校門で何故か立ち止まり寒気を感じた。このまま入ってはいけない、家に帰るべき。という奇妙な言葉が脳裏をよぎった。霊感もない。学校に行くことを嫌と感じたこともない。なのに踏み込んではいけないという思いが身体を止める。学校以外でもこんな経験は今までなかった。何があるんだ?家に忘れ物をしてきた訳でもない。何か怒られるような後ろめたいこともない。なのに身体が動かない。「どした?何突っ立ってるん?何かあった?」不思議そうに副島が横から話掛けてきた。副島は俺のクラスメート。中学の時も同じクラスになったこともあり、高校に入ってからも仲良くしてる。副島は俺と違い頭も良く運動も出来る。性格もサバサバしてて俺とは違うタイプ。ただ、人懐っこく俺の世話を焼いてくれたりする。そんな凸凹感がマッチしてるのか一緒にいる時が多い俺の親友だ。

「なんか入りたくない気がするんだよな。なんとなく」

「何それ(笑)夏休みが終わった現実を身体が拒否してるだけじゃないの?今日、始業式だけじゃん。暑さボケ早く治しなよ、はい行くよ」

背中を叩かれ俺は副島と学校に入った。副島と一緒なら…と思う気持ちより上回る寒気。一体なんなんだろう。夏休み前と代わり映えしないクラスメート、自分の席を見ながら「何もない、大丈夫」と自分に言い聞かせた。

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