第3話
「し、死んだ?だれが?まさか美玲が…………?」
驚きのあまり、敬語をつけ忘れた。いや、それよりも、美玲が自殺……?昨日まであんなに楽しそうにしていた美玲が?
「美玲が自殺したときに、これが近くに置いてあったの。読んでみて。」
そう言って、明美さんが渡してきたのは、『遺書』と書かれた封筒だった。『遺書』の文字の下には、『大介へ』と書かれていた。
おそるおそる封筒を開ける。その中には丁寧に四つ折りにされた紙が入っていた。
内容を読み始める。
『大介へ
ありがとう。
そして、ごめんなさい。
自殺するなんて思ってなかったでしょ。
少し前から、いじめに遭ってたんだよ?
全然気づいてくれなかったよね。
いじめに遭ってたって言ってもひどい事はされてないんだけどね。
ただ、私成績良いからさ。
大介に答え教えてもらってるんじゃないかって思われてたみたい。
そんなことしても他の教科はどうにもならないのにね。
最近になってくると、『大介と付き合ってるんじゃないの』とか言われたりして、否定したら、『大介が傷つく事をしろ』って言ってきたから、無理だって断ったら、『じゃあ、死んじゃえよ』って小声でぼそっと言われて…………。私さ、ばかだよね。
でも、いじめを仕掛けて来ていた人達は探さないで欲しい。
それが私からの最後のお願い。
今までありがとう。
美玲』
「な、なんだよ。これ。好き勝手言ってどっか行くとか。ふざけるなよ……。」
美玲の母親や親戚の人もいるのに、涙が出てきてしまう。
「ごめんね。急な話で大介君も混乱しているのにこんな物を読ませちゃって。…………じゃあ私は失礼するわね。」
そう言って、本当にすまなそうに頭を下げてから親戚の人達と一緒に家に入っていく。
俺も今日は帰ることにした。
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