第2話 「冒険者登録」
前回のおっさん
・おっさん、チュートリアル部屋に閉じ込められる
・おっさん、レベルMAXだった事に気づく
・おっさん、人生をやり直す。
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日が眩しい。
こんなにも、外は眩しい場所だっけ?
日が当たらないように、手で光を受け止める。
始まりのダンジョンから外に出ると、そこには町が広がっていた。
武器屋、宿屋、雑貨屋に噴水もある。
もちろん人も歩いている。
噴水を中心にして、この町は広がっている。
東エリア
酒場や宿屋、冒険者ギルドなどが纏まっている。
冒険者の疲れを取ってくれる魔法のお店は路地裏にあるので、是非
男性冒険者は立ち寄ってください!
西エリア
武器屋、防具屋、雑貨屋などと言った商売施設が纏まっている。
武器のお買い上げはこちら!お金がある人はラクザンをご利用ください!
北エリア
ダンジョンや、この村に入るために通る通行門が存在している。
始まりのダンジョンに行く方は北エリアへ!
鑑定屋で宝箱の買い取りやってます!
南エリア
住宅街が広がっている。
村人から直接依頼を受ける場合は南エリアに!
ベテラン冒険者は家を買ってみては?
「疲れを取ってくれる魔法のお店が気になるな」
とても今疲れている。
チュートリアルで体を動かしたうえに、3年ぶりの外を歩く事で体がとても重い。
魔法のお店の説明の所に、男性限定!と書かれていたのが少々気になるが、一刻も早く疲れを取りたいのでまずは東エリアへ向かおう。
噴水の左側に進む。
「ようこそ!東エリアへ!冒険者登録は冒険者ギルドで行っております!」
大きく東エリア!と書かれた看板がゲートに取り付けられている。
「疲れを取る前に、冒険者になっておくか…」
ゲートの少し先の右方向に冒険者ギルドと書かれた施設があった。
大きな扉だなぁ…
中からは少し酒の臭いがする。
そして扉を開ける。
入った瞬間、酒をカウンターで飲んでる人や、冒険者であろう人達全員こちらを向く。
ガタン!
カウンターで酒を飲んでいた若い人が音をたてて立ち上がり、こちらに足音をたてながら近づいてくる。
「おい!おっさん!ここは冒険者ギルドだぜ?お前みたいなおっさんが来る場所じゃねぇのよ?帰った帰った!」
うわー。酒くせぇ…
完全に酔ってるな。
「ちょっと!ギルドでの争い事は止めてください!」
酔った冒険者の首には銀色の首輪がついている。
これがチュートリアルで言ってた冒険者の段位ってやつか。
弱い 銅→銀→金→黒→虹 強い
てことはこの酔っぱらってる冒険者、そこまで強くねぇな。
だが、この場では目立ちたくないので、流石に殴ったりはしない。
僕は酔っぱらい冒険者を無視し、歩き始める。
「あの!冒険者になりたいんですが?」
受け付けのおねーさんに質問する。
「では、この機械に体を入れてください!」
人体実験みたいな箱が横に置いてある。
僕はゆっくりと、箱の中に足を踏み込む。
なんか、ドキドキするが、新しい物を見たときになるあれだろう。
「はい!ではいきますよー!」
赤いレーザーが体を旋回する。
一通り赤いレーザーが体全体に行き終わると受け付けのおねーさんが箱の前にくる。
「終わりました!箱から出てください!」
箱から出る。
ギルド内を見ると、カウンターに人が集まっている。
「おい!マジかよ!こんなステータス見たことねぇ!」
「こんなん金……黒レート並みだぞ!」
何やらカウンターで酒を飲んでいる冒険者が大声を上げて驚いてる。
あれって、もしかして僕の事だよな……。
てことは僕ってやっぱり最強!?
チュートリアルの少女もレベル100とか言ってたから、やっぱり凄いのかなー?
「はい!ではこちらに…」
胸を張っておねーさんの方に足を運ぶ。
「えーと……冒険者になりたいんですよね?」
ん?何か反応が変だぞ?
・こんな強い人見たことがありません!とか普通来るんじゃないの?
「一応お伝えすると、レベル1 ステータス全て平凡。
スキル 無し。 魔法反応……0」
周りにいた冒険者は一斉に笑い出す。
どうゆうこと?
さっきの冒険者の反応は何だったの?
そう思いながら横を向くと、
「へへーん!黒レート!黒だよ黒!すごいでしょー!」
一人の少女が冒険者一人一人に自慢し回ってる。
はぁ…僕じゃなかったのか…
「おにーさん?大丈夫?元気無いようだけど…」
「あぁ、大丈夫だ。ってお前は黒レートの!」
さっきまであっちの冒険者に自慢し回っていたのに、もうこっちに来ている。
「そう!黒レートの!ねぇねぇ!すごいでしょ!」
嫌みか!とツッコミたくなったが、少女だ。やめておこう。
「あぁ凄いな…僕なんか銅だよ…」
「銅かー。そうかー。まぁきっとおにいさんにも良いことは訪れるさ!ねぇ?元気だして?」
心配してくれてるのか?
「そうだな。いつまでも、落ち込んでちゃダメだよな!ありがとう黒の人!」
「いえいえ!元気になって何よりです!」
僕は冒険者ギルドを出る。
あ、待ってよ?僕がレベル1で弱いのってこの指輪のせいなんじゃ?
こうして僕は歩き出すのだった。
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