短編)市立第3中学校 生徒会長加美洋子

早藤 祐

2017年6月6日 加美洋子

短編)市立第3中学校 生徒会長加美洋子


2017年6月6日 加美洋子かみようこ


 中学時代の先輩で今は同じ高校の日向先輩から突然昼休みにちょっと話をしたいから時間を取って欲しいとメッセが飛んできた。


 中学時代に私がすごいかもと思った人は二人しかいない。そのうちの一人、日向先輩は私が中学1年生の時、1つ上の人でこの人を生徒会長に仕立てて手駒にしようと目をつけていて実際に口説いたものの振られた相手で今は同じ高校の先輩の2年生になっていた。まあ、性格の悪い私はしっかり根に持っていた。


 ほんの数ミリ・セカンド迷ったけど好奇心に負けてしまった私はスマフォをフリック操作して「いいですよ、先輩の頼みですから」と返事した。一文字、一文字しっかりと怨念は込めておいた。


 昼休み指定された特別教室の準備室に行くと日向先輩はもう来ていた。先輩はぬるいお茶のペットボトル呼び出したお礼なのかくれた。

 そして私は日向先輩の話を聞いてその依頼、生徒自治会長選挙立候補者である古城先輩と一度話をする事にした。

 日向先輩は面白い。そして先輩が親友となったらしい人がやろうとしている事も面白そうだったから話ぐらい聞いてみるべきだろうと思ったのだ。


 こうして本題の話が片付くと日向先輩と弁当を一緒に食べた。そして食べながらある事を聞かれた。


「加美、中学校の生徒会長の時にやった風紀規則の改正の後に生徒会規則への統合と風紀規則廃止はどうやってやったんだ?想像はしているんだけど実際の所はどうだったのか当事者に聞くのが一番だろうし差し支えないところを教えてくれないか?」


 私は箸を持つ手を止めた。


「別に特別な事はしてないですよ。誠実に交渉していっただけです」

「一昨年はともかく俺が卒業後にやった事は相手の退路を封じないと無理だろ?」


 あ、先輩はある程度見抜いてるな、流石だ。


「変な事はしてませんよ。先輩がどう思っているか知りませんが、私の思う所の流れはこんな感じでした」


 もらったお茶のペットボトルを一口飲んだ。そして私は記憶の中で当時起きた事を回想し、その中で当たり障りのない部分を日向先輩に話した。

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