『あゆみ』
『あゆみ』
特効薬はなくて、
そう、文字通り、
薬を飲めば消えるものじゃなかった
軽くはなってもそれは少しだけ
抑えることは出来なかった
そんなの、
人生、誰だっておんなじだって
言われてしまえばそれまでで、
口を継ぐんでしまう
自分をどれほど嫌いになろうとも
見限ったとてずっとついてまわるようだ
自分を愛することだって
誰かは言っていたけど
至らないところだらけのやつを
どうやったら愛せるんだろう?
どうやったら許せるんだろう?
教えてくれよ
その教えを守ろうにも
気付けばはみ出してしまうような
何もないとろころで躓き、
後ろ指指されるような人生を
誰が誇れるって言うんだ?
続けるしかないんだ
「治ってきた」なんて言わないでくれ
「治る」ことなんて決してないんだ
僕だけの、僕だけの方法を
間違いに間違いを塗り重ね、
「それでも」を繰り返して
「またか」を最小限に、
食い止める術を学んできたんだ
そうやって日々を越えてきた
いや、そうやって、
今だって歩き続けてる
あの薄暗い洞穴に、戻らないように
朝日が眩しすぎて
とてもじゃないけどその中へ
踏み出せない日々を
今も歩き続けてるんだ
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます