『あゆみ』

『あゆみ』



特効薬はなくて、

そう、文字通り、

薬を飲めば消えるものじゃなかった

軽くはなってもそれは少しだけ

抑えることは出来なかった


そんなの、

人生、誰だっておんなじだって

言われてしまえばそれまでで、

口を継ぐんでしまう


自分をどれほど嫌いになろうとも

見限ったとてずっとついてまわるようだ

自分を愛することだって

誰かは言っていたけど

至らないところだらけのやつを

どうやったら愛せるんだろう?

どうやったら許せるんだろう?

教えてくれよ

その教えを守ろうにも

気付けばはみ出してしまうような

何もないとろころで躓き、

後ろ指指されるような人生を

誰が誇れるって言うんだ?


続けるしかないんだ

「治ってきた」なんて言わないでくれ

「治る」ことなんて決してないんだ

僕だけの、僕だけの方法を

間違いに間違いを塗り重ね、

「それでも」を繰り返して

「またか」を最小限に、

食い止める術を学んできたんだ


そうやって日々を越えてきた

いや、そうやって、

今だって歩き続けてる


あの薄暗い洞穴に、戻らないように

朝日が眩しすぎて

とてもじゃないけどその中へ

踏み出せない日々を

今も歩き続けてるんだ

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