Hanging
僕は転生譚が嫌いだった。
前世に努力を任せるといったスタンスより、自分の生きる
今は違う。
地獄だった。
ただ、そんな物語の作者がアレを見たのかは分からない。
When you gaze into the abyss、the abyss gazes into you.
地獄が見返してきたとき、思った。
「逃げよう」
理性は逃避など無駄だとわかっていたが、本能が叫んだ。
「逃げろ」と。
ただその先で理解してしまった。
“この世界に、救いなど無い。”
気づいた、気づいてしまった。
笑うしかなかった。
人の生きる理由など無い。
神を呪い、世界を憎み、人を嫌った。
そして全てを捨て、全てを撥ね付け、全てを壊そうとした。
しかし、壊しきることのできなかった彼は今、捨て切れなかったモノを捨てさせられようとしている。
僕は、地獄に、殺された。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます