第二十一話 月竜リトヴァ

 目の前が真っ暗だ。

 何も見えない。

 寝ているのか起きているのかも分からない。

 村はどうなったのだろう。

 私はどうなったのだろう。

 頭が回らず呆ける。

 恐らく口は半開きだ。

 涎を垂らしているかも。

 それくらいだらけている。


 何もする気が起こらず、ただただ放心していると光が見えた。

 その光は目の前で白くなり、広がって私を包み始めた。

 まるで体験型アトラクションのスクリーンのようだった。

 そこに何かが映り始める。


 始まったのは、髪は短くなっているが、見覚えのある人物が主人公の物語だった。




 ※※




 とある国がある。

 名前は『ラハティ』。

 国の規模はそれほど大きくない。

 ただ鉱石が多く取れるため資源は多く、比較的豊かな田舎国家であった。

 近隣の他国とも上手く付き合い、戦争もなく、平和な国でもあった。


 ――少し前までは。


 貿易を通して良好な関係を築いていたはずの隣国『クルセニア』が突如ラハティに侵攻を始めたのだ。


 ラハティは戸惑った。

 体制を整えている間に、クルセニアは着々とラハティを侵略していった。

 平和呆けしていた田舎国家に打つ手などなかった。

 満身創痍の王は、王都を死守していた騎士団長にある命令を下した。


「竜の助力を得てこい」


 竜は存在こそ知られているが、人とは関わらない『神』。

 普通に考えれば実現不可能な命令である。

 だが、可能性は零ではない。

 ラハティ王は藁をも掴む思いで団長に命じたのだ。

 だが命じられた当の本人は辟易していた。


「本当に藁を掴むと、大概録な目に合わないんだがな」


 すぐにでも戦場にいる仲間達の元に駆けつけたかったが、そうはいかないようだ。

 『竜の助力を得る』などというどう転ぶか分からない不安要素の多い選択肢に時間を割くよりも、前線に出て少しでも確実に敵を減らす方を選んで欲しかった。

 気の乗らない任務は早く終わらせたいが、竜と関わるとどうなるか分からないし、自分は帰って来ることが出来ないかもしれない。

 どうせ死ぬなら、戦場で戦って死にたかった。


 愚痴っていても始まらない。

 兎に角やれることをやり、最善を尽くすまでだ。

 ラハティ王国騎士団長ユリウスは数名の精鋭の部下を連れて、人に比較的好意的であるという月竜に会うべく、国内の最南端に広がるルフラン荒野に向かった。




 ※※※




 ルフラン荒野は植物も生物もほとんど存在しない『死の大地』だ。

 環境面は何も問題ないのだが、何故か何も育たないし寄りつかない。

 原因は『月竜が居を構えている影響』だと言われているが、定かではない。

 そんな不気味な場所をユリウスと部下達は恐る恐る進んでいた。


 一日目に一人が倒れた。

 原因は分からない。

 ただの『衰弱』に見えるが……たった一日で倒れるような体力ではないはずだ。

 馬の方は半数が動けなくなった。

 彼らは信頼している部下だし、実力も認めている。

 こんなところで駄目にしてしまうのは馬鹿らしい。

 無駄に死なせてしまうより、一人でも多く帰してやりたい。

 戦場の方に戦力をまわしてやりたい。

 馬が駄目になった者をすぐに全員帰らせた。


 次の日、更に半数の部下と馬は全てが駄目になった。

 自分はまだまだ余裕が有り、歩いてでも問題なく進むことが出来る。

 だが部下達は、すぐに歩くだけで精一杯になるだろう。

 連れてきた者達の実力からすれば、この事態は想定外だ。

 何か原因があるのだろうが、それを解決することは出来ないだろう。


 やはり彼らの力は貴重な国の戦力だ。

 こんな質の悪い賭けのような任務に命をかけるのは自分一人で十分だ。

 すぐに全員を帰らせた。


「最初から一人で来ることが出来ればよかったのだがな」


 彼らを見送ると再び歩き始めた。

 幸い体力や体調に問題はない。

 目印にしている星を見上げ進んでいると、後ろから一つの影が追いついてきた。


「お供します」


 それは帰らせたはずの部下の一人だった。

 帰るよう説得を試みたが、首を縦に振ることはなく意思は堅かった。

 仕方なく連れだって足を進めた。


 残った部下は女性でありながら、体力も魔力も秀でたものを持った優秀な者だった。

 名はエリーサという。

 菫色の髪の整った容姿の女性だ。

 麗しい容姿からは想像出来ないが、男性騎士よりも強く逞しい騎士である。

 このルフラン荒野でも、連れてきていた部下の中で誰よりも余裕を見せていたのだが……。

 二人になってから一日経つと、彼女も目に見えて衰弱し始めた。


 すぐに帰したいところだが、ここまで来ると一人で放り出すわけにはいかない。

 だが、月竜がいると言われている場所まではまだ二日程歩かなければならない。

 困った状況になった。


「申し訳ありません、団長……」

「仕方ないさ」


 このまま彼女を連れて進むことは困難だし、置いていくわけにもいかない。

 彼女を連れて二人で戻ることも考えたが、国の現状を考えると時間を無駄にするわけにもいかない。

 ……何か良い解決法はないだろうか。


 脳を働かせ考えると、一つの案が浮かんだ。

 行くことが出来ないのなら『月竜の方から来て貰う』ということはどうだろう。

 神である竜なら、人がここに来ていることも気がついているはず。

 試す価値はありそうだ。


「月竜よ! 私はラハティ王国騎士団長ユリウスだ! 面会を求める!」

「団長?」

「この荒野に月竜が本当にいるというのなら、俺達が近づいていることなんてお見通しだろう。俺達はこれ以上進むのが難しい。ならば向こうから出てきて貰う他に手はない」

「なるほど……。ですが、さすがに無礼ではありませんか?」

「背に腹はかえられないさ」

「そうですね……私が足手纏いになってしまって……申し訳ありません」


 ――ふむ、無礼を承知の上というわけか。だが、中々利口ではないか。


「「!?」」


 二人の頭の中に直接語りかけてくる声。

 妖艶な女性を思い浮かばせる、色気のある声だった。

 声の心当たりはひとつしかない。


「月竜か!」


 ――そうだと言ったら?


 こんなことを出来るのは竜しかいない。

 間違いない、月竜だ。


「我が国に加護を! 助力を願いたい!」


 ――助力? 『人』の下らない争いに手を貸せというのか?


 神からすれば、人間の争いなどくだらないものだろう。

 成功する可能性の低い交渉であることは重々承知している。

 だが、やらなければならい。


「その通りだ。竜の力があれば、その下らない争いなどすぐに終わらせることが出来るだろう。報酬として王は月竜の望むものを差し出すと言っている」


 ――王の首でもか? お前達の国でもか?


 何を要求されるかは予想もつかず、王からは『望むものを差し出す用意があることを伝えろ』と言われていた。

 助力を得ることが出来るのであれば、要求されるものがなんであろうと首を縦に振れ、とも言われたが……。


「それは出来ないだろう。私の首で赦して貰えないだろうか」

「団長!?」


 残念ながら国王は国の為に命を捧げるような人ではなかった。

 ここで王の首を差し出すと確約をしても、必ず逃げる。

 逃げたところで竜の手にかかれば人間一人などすぐに消せるだろうが、あんな王でもいなくなれば国が更に荒れる。

 王の首は差し出せない。

 

 また、国を差し出すのであれば竜に頼む意味が無い。

 かと言って「どちらも無理だ」とだけ言えば竜はこちらに興味を無くし、去っていく予感がした。

 だから自分の首を差し出した。

 国が守れるなら……自分の首で話がつくのならば安いものだ、とユリウスは思っていた。


 ――安いのう。だがまあ……気が向いた。いいだろう。お前の首で赦そう。


「……感謝する」


 交渉が成功した喜びと、自分の死が決まった寂しさに襲われながら、ユリウスは目を閉じた。


 ――報酬は……前払いで頂くぞ。


 その声が聞こえた瞬間、近くに何かの気配を感じた。

 気配の正体を探ろうとしていると、突如目の前に爪のような風の鎌が現れた。

 その刃は明らかにユリウスの首を刈り取ろうとしていた。

 前触れなく現れた驚異に、ユリウスの体は反応した。

 気がつくと剣を抜き、打ち返してした。

 何だったのだと戸惑っていると、少し不機嫌そうな声が聞こえてきた。


 ――お前、首を差し出すのでは無かったのか?


 いつの間にか目の前に、銀色に輝くすらっとした首の長い竜らしきものがいた。

 銀の鱗に虹色の艶が光っていて美しい。

 体長は自分よりも一回り大きいくらいで、意外に小さい。

 だが……存在感がとてつもない。

 山ほどの大きな竜が口を開けて、自分を噛み砕こうとしているような錯覚を起こす。

 だが、威圧を感じるだけで不思議と恐怖はなかった。


「すまない、つい。今度は抵抗しない。やってくれ」


 ――つい、か……ははは! この月竜の刃を『つい』で撥ね返すか。面白いのう。報酬を変更して貰おう。我と戯れておくれ。陽が昇るまでお前が生きて残っていればお前の勝ち。お前の要求をきこう。お前の負けならばそれで終わり。どうだ。


「心得た」

「団長! 無茶です! 相手は月竜ですよ!? 弄り殺されるだけです!」

「それでもやるしかないだろう。お前は邪魔にならないよう下がっていろ。守ってやる余裕はない。自分の命は自分で守れ」


 返事は聞かず、前へ出た。

 表情は分からないが、月竜はにやりと笑ったような気がした。


 陽が昇るまで、六、七時間程。

 どこまでやれるか分からないが、仲間達は命をかけて戦場で戦っている。

 自分も命をかけなければ、任務を達成しなければ顔向けが出来ない。


 ――では、始めてよいか?


「ああ」


 ――良し。その前に……。


 月竜の身体が光りだし、光の柱に包まれた。

 光の柱は分裂した光の輪となり、上下互い違い、逆方向に回り始めた。

 少し経つと光の輪は広がりながら拡散し、消え去った。


 その場に残ったのは、銀糸の真っ直ぐな腰まである長い髪に血のような赤い瞳の女だった。

 耳の上からは、少し曲がった銀色の角が生えている

 顔の造りも体の造りも美しい彫刻のようだ。

 暗い蒼色の身体に張りつく様な長いドレスを纏い、スカート部分の切れ目からは白い足が見え隠れしている。


「身体が同じ造形の方が戦いやすかろう」


 声は頭に響いたものと同じだった。


「気遣い、感謝する」

「馬鹿にされていると思わんのか?」

「力量の差は分かっている」

「ふむ、分ををわきまえるということも、大事なことよのう。では、楽しませてくれよ?」


 そこから一方的な弱い者苛めが始まった。

 もちろん弱い者とはユリウスのことだ。


 攻撃を受け続け、なんとか見切ることが出来るようになると更に速さと威力を上げる。

 それに慣れ、避け始めると更に上げる。

 隙を見て回復や防御をするが、一瞬で体力を削られる。

 削られすぎて危険なところまでくるとわざと隙を作り、回復の機会を与えられる。

 回復をすると、また少しずつ威力をあげて攻撃される。

 それを延々と続ける。

 これを陽が昇るまで続けるのは辛い。

 月竜が一瞬本気をだせば終わるだろうし、何よりも二時間程しか経っていない時点で精神的に参ってきてしまった。

 だが、諦めるわけにはいかない。


(戦場で死んでいっている者がいるんだ)


 ユリウスは心が折れそうになるとそれを思い出し、奮い立たせた。


「ほう。しぶといじゃないか。じゃあ、こういうのはどうだ?」


 地面に黒く長い影が現れ、周りを回り始めた。

 気味が悪く。

 影に剣を突き立てるが何の変化もなく、ユリウスの周りを回り続ける。


「さあ、乗り切れるかな?」

「な!?」


 影が地上に飛び上がり、ユリウスの身体に纏わりついた。

 そして蛇のように身体を這いながらゆっくりと溶け込んでいった。




 ※※※




 視界が暗転した。

 目が覚めているのか、意識が無いのかも良く分からない。

 ただただ真っ暗だ。

 何も見えないところに横たわっている。


(ん? 何か……動いた?)


 近くに気配を感じる。

 気配は距離を詰めて来る。

 視界は闇に覆われていて身動きすることもままならないが、それでも正体の分からない気配から離れるべきか迷っていると……。

 突如、左目に激痛が走った。


「ぐああああああ!!!?」


 尋常じゃない痛みだ。


(目が……無くなった!?)


 触れられた感覚はなかったが、『何か』に眼球を抉り取られた。

 何も見えないが感覚で分かる。


(まだ、いる)


 次は右目の近くに気配を感じた。

 このままでは、左目のように抉り取られてしまう。

 右目を守るため、気配の辺りを攻撃した。

 攻撃といっても武器を持っているわけではなく、素手で殴りかかるだけ。

 当たっている感覚も何もない。

 逃げるべきだが天と地が分からず、立ち上がることも出来ず、這うように動き始めたその時――。


「うああああああああ!!!!」


 呆気なく、右目も抉られてしまった。

 痛い。

 騎士をしてきたため痛みには耐性があるはずなのに、耐えきれないほどの痛みと苦痛に襲われる。


 死ぬほど痛いのに意識は飛ばない。

 死なない。

 死ねない。


 その気配は、更なる恐怖と痛みを与えながら次々とユリウスを奪い始めた。

 左手を千切られた。

 ぶちぶちと音がする。

 千切れているのは肉なのか、血管なのか、骨なのか分からない。

 血が吹き出る音もする。

 臭いもする。


 次に右手。

 左足、右足。


 そして終に……ユリウスは、頭と胴体だけになっていた。

 逃げようともがくが手足が無い。

 見えない血の海で、無様にのた打ち回るだけだ。


(どこか、動け!)


 必死になっていると、自分の身体を攫っていった気配を頭上に感じた。


「ひっ」


 恐ろしい予想が、頭によぎる。


(頭を、千切られる!)


「うあああああああああああああああああああ!!!?」


 逃げようとするが、何処も動かない。

 気配は上から降り始め……とうとう首に感触が……。


「あ」


 ――ブチッ


 頭と胴が離れ、全身の血が抜かれたような喪失感を感じた直後……。

 突如、視界が回復した。

 まだ闇は広がっているが、目が慣れたのか、うっすらと辺りの光景が分かり始める。


(……あ、あれ……は)


 そこには、両目が抉れた見慣れた頭が転がっていた。

 自分の頭だった。


 ユリウスは、抉り取られ床に転がった目になっていた。

 目になって、無残な抜け殻となった自分を見ていた。


『あ……ああ……ああっ』


 口などないのに恐怖で息が漏れる。

 耳などないのに耳鳴りがする。

 身体などないのに全身が痛い。



(ツライコワイクルシイ)


 気配は小さな存在となった、ユリウスにも手を伸ばす。

 恐怖以外何も感じなくなった転がる眼球は、もう気配の存在に気付くこともなくなった。


 ――グシャリ


 そこでユリウスの全ては奪われた。






「壊れたか?」

「!?」


 弾けるように、意識が引っ張り上げられた。


「痛っ……?」


 頭部に痛みを感じたが、状況が分からない。

 声の方を見ると目の前には美しい銀の女、月竜がいた。

 髪を月竜に掴まれ、持ち上げられている。

 視界がまだ定まらないが、頭は何故か冴えていた。

 恐怖に染まっていた脳がすっと静まった。


 今のは幻術のようなもの、だったのか?

 見える……手足も、頭もある。

 一瞬だったようにも、永遠だったようにも感じる苦痛だった。


「まやかしだが感覚は本物という優れものだ。どうだ、効いただろう?」


 月竜は無邪気に笑った。


(……なんという……残酷で、悪趣味な)


 痛めつけられ、弄られることは覚悟していたが、あまりにも残酷だ。

 これが『神』がやることなのか。

 神とは崇高な存在ではないのか!

 目の前の女は、神などとは思えない。

 ただの魔物だ。

 敬う価値のない悪魔だ。

 そう思うと、身体が動いていた。


「……クソ竜がっ!!」


 ユリウスは思い切り月竜を殴り飛ばしていた。

 それは気持ち良いほど見事に決まった。

 今の月竜は見た目は美しい『女性』だったが、そんなことは気にならなかった。

 女性に手を上げるなど騎士の風上に置けないが、容姿など目に入っていなかった。

 月竜は無防備だったのか後ろによろけ、肩膝をついた。


「……お前」


 月竜は呆然としてユリウスを見ていた。


「俺はお前を神だとは認めない!」


 無意識に口が動いた。

 込み上げた怒りは、自然と声の大きさを吊り上げさせた。

 ユリウスの怒声は静まりかえった荒野に響き渡った。


 月竜は絶句していた。

 目を開き、呆気にとられた様子で口をポカンと開けていた。


「……あ」


 ユリウスはそれを見て我に返った。

「しまった」と思った。


 心身共に疲れ果てていた。

 何のためにここに来ていたのか、失念していた。

 あんなにも仲間を思って、己を奮い立たせながらやってきていたのに。


 怒りに塗りつぶされていた頭が冷え始め、動揺した。

 月竜の機嫌を損ね、任務を果たせないかもしれない。

 謝罪するか、機嫌をとるべきか。

 口を閉ざしたまま必死に知恵を絞った。


「ふはは」


 良い案が浮かばず、内心では頭を抱え込んで後悔していると月竜が笑い始めた。


「ふはははは! ははははは! 」


 笑いが止らないと、といった様子だ。

 ユリウスは不気味に思った。


「あれで壊れなかった上に我を跪かせるとはなあ。更に『神とは認めない』ときたもんだ。人のくせに大したものだ!」


 腹に手をあて、更に笑い続けている。

 何が面白いのだろう。

 だが、とりあえず不況を買ったわけではなさそうだが……。

 言いようのない不安を抱えながら、月竜の動向見守った。


「気に入ったよ、お前。陽が昇るまで時間はまだあるが、お前の勝ちにしてやる。国ではなく、お前に力を貸してやるとしよう」


 一頻り笑い終えた月竜はにやりと笑い、こちらを向いて言った。

 言われた意味が分からず、思わず眉間に皺を寄せた。


「お前の言う通りにしてやる、と言っておるのだ。不満か?」

「そ、そうか。感謝する」


 そこで漸く理解出来、慌てて返事を返した。


(やった……やり遂げた)


 ユリウスは、任務を遂行することが出来た。

 そして内心では何より、この戦い……いや、『弱い者虐め』から開放されたことに歓喜した。


「お前、名は」

「最初に名乗ったのだが……。ユリウスだ」

「すまぬな、興味が無かったので流した。知っているだろうが、我はリトヴァだ。これからはリトヴァと呼ぶがいい」

「光栄だ」

「ふん。人間のくせに偉そうな奴だ」


 リトヴァは愉快そうに笑った。

 その後、ユリウスはすぐさま国戻った。


 リトヴァがついたことにより形勢は一気に逆転。

 ラハティに進入してきていたクルセニア勢は一日とかからず灰になり、クルセニアは逆にラハティに降ることになった。

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