昔を振り返る

友人に猫キチがいる。


そいつは毎日猫の写真を俺に見せてくる。

今日はこんな写真を撮った、今日はこんな角度で撮ってみたと、頼んでもいないのに毎日LINEで送りつけてくる。

恐らくインスタ辺りにも上げている事だろう。


しかしたいして代わり映えしないものを、毎日見せられても正直反応に困る。

一応可愛いねと返してはいるのだが、ある日そろそろ見飽きて来たから、モヒカンにでもしたらインパクトあるんじゃないの?と返したら、それは虐待だよと注意されてしまった。


正直今年の夏は暑かった、まだしばらく暑い日も続くだろう。

この暑さは毛達磨の猫にとっては地獄に違いなかったはず、ならば毛をそればそれだけ涼しくなり、きっと喜んでくれるはず。

だのに何故それが虐待になるのだろうか…


そういえば昔飼っていた猫に変な奴がいた。

足の指の股の部分を舐める猫だ。不思議な事に、何故か指の股しか舐めなかった。

猫だから許されるが、人間なら完全に変態だ。


猫を飼った事のある方なら御存じだろうが、猫の舌はざらざらしている。

ちょっとした鑢状態だ。

足の皮は基本分厚い為、少し程度ならくすぐったいですむのだが、そいつは制止しないと延々舐め続けてくる。満足するまで舐め続けさせた日には、指の股が真っ赤になってひりひり痛んだものだ。


そこではっと気づく。毛が無い状態でも、猫はきっと習性から毛繕いをするだろう。

ああ、成程。確かにこれは虐待だと納得する。


追伸

当時は、猫が俺に甘えてきてるとばかり思っていたが、実はあれ、攻撃されてたんじゃないかと最近思え始めてきた。


やはり猫は恐ろしい生き物だ。

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