( 1 ) 在りし常日の、

「イヤホンコードってさあ、 なんか、めんどいよねー」


「絶対、からまるやつ」


わかる、わかるよー。

と、横のほうから聞こえた女子の嘆きに、気づかれないくらいにうなづく。


ここは、学校、教室、自分の机。


その上には、からまりにからまったイヤホン。


私は、右横を向いて言った。


「これ、ヘッドホンだったら、

からまりが減少するってことあるのか?」


女子たち、


「あー、どらちゅんも、からまっとる!誰か、なんかいいアイテム考えてくれないかなー、かわいく」


「コードまとめるやつ?なんか、すでにありそうだけど」


「え、そうなの?」


ぐぅち、わっこ、私の問いかけに、こたえてもらってないみたいなんだけどなー。


と、前を向いて、完全にはほどけていないままのイヤホンを両耳にセットした。


快適じゃー!


イヤホンコードからまってても、ちゃんと聴こえるしー

アイラブミュージーック!!である。



。。。。。。。


気づいたら、音楽の中にいて、すこぶる元気だということに、なっていた。


音楽の中。


現実的に、イヤホンとか、スピーカーで聴いている時、


プラス、


それ以外の時と。


それ以外の時。

みんなには、わかるだろうか?


他の人とは、どうやら違うということに気づいたのは、特にキッカケはない。


そうなんだー、という感じで、うれしくも悲しくもなく、


ブランコに乗っていて、他の子は、前に揺れたら、後ろにも揺れて、降りようとしたら、ちゃんと降りられるのに、


私だけ、前に揺れたまま、一番高いところで、喜んだままでいる状態、


ハイなまま、とでも言おうか。


喜んではいるが、うれしくはない。


わかるだろうか?この気分。


私いわく、音楽の中にいる気分である。



そんな感じなので?そんな感じなのでなのか、


よく、ドラムを叩きたいんだー!!と言っていた。

よく、言っているうちに、


どらー、


どらむぅ、


などと呼ばれる学生として君臨して数ヶ月、そのくせ未だにドラムにたどり着いていない15歳の夏か、その他の季節だったか、ま、この漂い。


とにかく、快適な気候!



で、


私、

出席番号13番、

通称、どら + 何かしら、

     (+アルファ能力ではない!)





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