over game

ゆうた

第1話

ある一人の男がいた。


弱くて情けない男だ。


男は人と接することを苦手とし、人と共存することを拒む。


男は消極的、コンプレックス、自意識過剰。


内向的、対人恐怖症、鬱。


男はこの様な種類の言葉が当てはまる性格を持つのかもしれない。


男は小さな頃から友達はいなかったが大人に言われた事は行い、レールに沿った生き方をしてきた。


それでいいと思っていた。


周りにいる者たちに迷惑を掛けず、ルールを守り、煙たがられ無い様に生きる。


それでいいと思っていた。


しかし、違った。


男は大学を卒業後、さらに社会に馴染めなかった。


多様な価値観、人種、仕事のあるこの社会。


小さな頃から仲間のいなかった男にとって、太陽が西から昇り東に沈むかの様に、フェルマーの最終定理が証明された時の様に、過去の時間にタイムスリップできるかの様に。


あり得ない、難しい、不可能。


男は思っただろう。


生きていく才能がない。


自分なんて価値がない。


人生に希望がない。


男の性格だ。


外交的で、友達が多く、明るい人には男の気持ちを理解する事が出来ないだろう。


男は密かに生きている。

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