敗北世界の帰還王
入美 わき
第1章 1話 開戦
「あーあー聞こえてる??あいつら攻めて来てるけど何もしないの??」
「聞こえてる。私はいつでも行けるよ」
「おーおー、血気盛んなお嬢さん達だこと。あはは、まだお預けかい?」
「焦りは禁物ですよ、皆さん。先陣は切らせて頂けるのでしょうか?」
「言ってる君が1番ヤル気満々じゃないのさ。まぁ俺も早いとこぶっ放したいんだけどさ〜」
「領主様って本当に聞かん坊揃いなのね。うちの旦那がいる時点で類友確定なのはわかってたけど……」
「このゲーム始まって以来初めての超多人数戦闘だからさ、仕方ないでしょうさ」
「この廃れた世界に残った王の力。欲に群がったひよっ子達に見せつけてやりましょう」
これはゲーム。
ゴパーダ・オラージュオンライン。
この日、かつての日本国ユーザー7000名の頂点に君臨していた6人の王と付き人2人は総人口800000人に膨れ上がった新規ユーザーに囲まれていた。
欲に駆られた烏合の兵隊。
その全てを突き動かしたのはただの"景品"。
新パッケージ【世界への帰還】。
現時点で存在する領主を打ち取った者に新世界への扉を授ける。
又、生き残った王にも同じく扉を授ける。
と………。
「ムカつくよね」
8対800000。
不平等とはどちらの事を言うのだろう。
「さぁ、掃除を始めよう」
少し寒気の残る真夜中に、
戦いの火蓋は切って落とされた。
蹂躙の始まり、はじまり。
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