同級生

勝利だギューちゃん

第1話

スマホが鳴った・・・

出る・・・

まあ、相手はわかるが一応・・・


「もしもし、今日暇でしょ・・・今から・・・」

ピッ

スマホを切る・・・


数分後・・・


スマホが鳴った・・・

出る・・・

相手は、さっきと同じ・・・


「こら、いきなり切るな!あのね・・・」

ピッ

スマホを切る・・・


電源を切った・・・


これで安心・・・な、わけはなく・・・


ジリリリリ


自宅の固定電話が鳴った・・・

相手は同じだが、まあ一応・・・


「はい、もしもし・・・」

「だーかーらー、いきなり切るな・・・あのね・・」


ガチャン


電話を切る・・・


ピンポーン!


自宅の呼び鈴が鳴った。

監視カメラから相手を見る・・・

(やはりな・・・)


しょうがないな・・・

仕方なくドアを開ける。


「ねえ、今日暇でしょ!今から映画いこ」

「その前の、名を名乗れ」

「知ってる癖に」

「怪人20○相の、変装かもしれない・・・」

相手は、ため息をついて答えた・


「佐々木 凛、17歳。水瓶座のA型。得意科目は国語。好きなタイプは・・・」

「そこまででいい。本物だとわかりました」

「よろしい・・・」

「で。、何ようだ?凛さん」

「さっきも言ったでしょ!映画いこ」

凛は、にこやかな笑顔を浮かべている。


凛は高校のクラスメイト。

天真爛漫で、誰からも好かれる。

友達が多い・・・俺もその中の一人にすぎない。

ていうか、友達どまりでありたい・・・


「何の映画だ?」

一応訊く

「ホラー」

「パス」

「どうして?」

「ホラーは嫌いだ、じぁあな」

ドアを閉めようとする。


「あら凛ちゃん、いらっしゃい」

家の中から、お袋が声を掛けてきた

「あっ、おばさん、お早うございます」

「いつも、元気ね」

「いえいえ、あっ、今から涼くん、借りていいですか?」

「どうぞ、どうぞ、何ならあげますよ」

この二人は、同じ類の人間か・・・


断言しよう。「男の子は母親に似た女性を嫁に選ぶ」

これは大ウソだ・・・


事の発端は、お袋が誰か仲のいい女の子を連れてこいと言った。

ここで、凛を連れて行ってお袋と引き合わせたのが間違いだった。

たちまち意気投合をし、今は時々ふたりで、出かけているようだ・・・


ちなみに、凛のお袋さんとも、意気投合したらしい・・・

つまりは、双方の両親公認ということだ・・・


このまま家にいたら、どうなるかわからない・・・

なら、凛といたほうがいいだろう・・・


そんなわけで、映画に行くことになった。

願わくば、ホラーでないことを祈る・・・


「涼くん」

「何?」

「・・・なんでもない・・・」

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同級生 勝利だギューちゃん @tetsumusuhaarisu

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