全編がインタビュー記事で構成されていますので、基本的には真面目な質問と、真面目な回答⋯、あれ、真面目であればあるほどおかしいぞこれ、とすぐに気付きます。
征服について真面目に語る魔王さまと、なぜか次第に魔王よりも魔王っぽくなっていくインタビュアー花園さん。変な対決に、コスプレ写真のプレゼント企画、おすすめ魔ジックアイテムの紹介、質問コーナー、夏征ェスの宣伝、あれ? 魔王さまってアーティストだっけ? スタジオ入るの? オルタナティヴとか言ってるし。しかし、いたって真面目な魔王さま。うん、いい人。
そんな具合に、作者様の、ここでそれをそうするのか!のうまさがじわじわとおもしろいです。花園さんの暴走(魔王化)に伴いインタビューの趣旨がとっ散らかる様子も楽しく、本来なら真面目であるはずのものが少しずらしただけでこんなに笑えるのか、という、ただのコメディ小説では味わえない種類のおもしろさを、毎話いちいち笑いながら体感できてしまいます。