第2話新たなる日常
部屋の中でアラームが鳴り響く。
「…すけー!…涼介ー!起きなさーい!早く食べないと遅刻するわよー!」
俺は、時計を見るやいなや、飛び起きて、急いで着替え、朝ごはんは、かきこみ、ダッシュで家をでた。
通学路の途中の商店街でショーウィンドウに映る自分を見て、仰天した。
「おいおい…髪の毛ボサボサじゃねぇかよ…。裕貴のこと言えねぇなぁ。」
いつものように後ろから、圧を感じる、でもいつもの勢いよく走る足音ではない。
「涼介くん!おはよ!髪の毛すごいね!エヘヘ。」
これは、どういうことだろうか、裕貴ではなく沢城が来た、そして、髪の毛がボサボサ、最悪の、スタートだと思っていた。
「よー!涼介ー!もう仲良しさんかー?羨ましいぜー。」
裕貴、通称デリカシー無し男は、結構な声量で話してきた。
「はー?たまたま校門で、一緒になっただけだよ!うるせーなぁ!」
沢城は、俺と裕貴のやり取りを見て、ずっとニコニコしていた。
しかし、授業中窓の外を見なくなったのは、沢城が来てからだと思う。
ノートをとるときだけ、メガネをかけるが、さらに美人になる。
昼休憩になり、俺は、弁当を開いて、食べようとすると、沢城が俺の方に寄ってきた。
「涼介くん、お昼ご飯一緒に食べてもいいかなぁ?」
内心は、心臓バクバクの、えらいこっちゃ音頭が流れていたが、俺は、冷静を装った。
「あぁ、いいよ、座りなよ。」
しっかりした、バランスの取れた弁当に、たこさんウィンナーが、2つ入っている、沢城の弁当を見て、聞いてみた。
「お前の、母ちゃん栄養バランスとかちゃんとしてんのな。」
沢城は、首を傾げながら、俺にこういった。
「これ、作ったの私だよ?褒めてくれたんだね、ありがとう。」
俺の、ハートは今撃ち抜かれた。
そして、俺の新たなる学生生活が始まった。
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