タイミング。
何かにつけても、確かにそういったものはあるだろう。
日常のそこかしこに、タイミングというやつは潜んでいるに違いない。
その瞬間、前に進むか後ろへ戻るか。
はたまた、右へ避けるか、左へ進むか。
それは、選び取ったタイミングのようでいて、もしかしたら周囲に導かれていることなのかもしれない。
主人公は、日々の生活に疲れ果てていた。
全てに自信をなくし、弱気になり、まともな思考ではいられなくなっている。
何を信じ、どこへ向かえばいいのか、お先真っ暗というやつだ。
自暴自棄にもなるだろう。
しかし、彼はタイミングを逃さなかった。
ほんの僅かにあった小さな光。
その光あるタイミングを掴んだのだから――――。
奥さん、どうか彼に優しくしてあげてください。