変形する姪

古新野 ま~ち

第1話


近隣公園の砂場が立ち入り禁止であり傍らの姪っ子が駄々をこねるものだからここには猫の糞が埋まってるかもしれないし他所で遊ぼうかと肩を掴んでその眼を覗きみた。姉の面影を残した相貌に背筋が凝り固まるような怖気を覚えた。炎天下であった。


「あそこの滑り台なんてどうだ、ローラーになってるから気持ちよくすべることができるし、なんならおじさんが抱えてやるから怖くないだろ」

「お城とかが作りたいの」


やだと私を振りほどいてフェンスを乗り越え砂場に行くのを押し黙っていたが案の定一人で柵の中にいると不安勝ちになるようでついぞ泣き始めてしまう。


柵は私の胸くらいしかない。20キロを越していない身体を担ぎ上げるのは容易でその足元に絡まる蔦もろとも引き上げた。

蔦?

つるつると引き上げると陽に当たるところから焦茶に変色した。

持ち上げた姪っ子の脳天が開いて脊髄が押し上がり脳ミソが陽の下にさらされた。

脇の下から手を離してみると蔦はぐんと伸びて視線が同じ高さになった。

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