第11話 「醜い獣」

前回のあらすじ




キマイラと女がどちらも、攻撃をしてくるのを待ってるなか、


女がキマイラに拘束魔法「チェーンアタック」で縛る。


女はキマイラを容赦なく蹴り、殴り、キマイラはそれに耐えられず、やられてしまう。


僕はそれを見ていられなくなり、女の前へワープする。


その後、僕の圧倒的力により、女は敗北した。


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一晩中キマイラの看病に付き合った僕は、地べたで寝てしまった。




「起きろ…スライム!」




日がだんだんと上って来るなか、誰かが僕の肩にのしかかっている。




のしかかっている?




太陽の光が眩しいなか、ゆっくりと目を開ける。




キマイラを看病してた所と場所は同じの用だ。




「起きたか…スライム。」




何処からかキマイラの声が聞こえる。  




無事に治ったらしいな。




だが、僕が寝すぎてバカになったのか、肩上がめっちゃ重い。




まるで、何かがのしかかってるような…




「うわ!何だこいつ!」




「こいつとは!何だ!まったくもー!」




僕に乗っていたのは、とても可愛い獣だった。




「キマイラ!こいつは?」




「邪犬ケルベロスになる獣だ」




邪悪ケルベロス。その強大な攻撃力と俊敏さで、冒険者達を圧倒する。




「そうです!僕はあの最強モンスターケルベロスの子供です!」




「そんなモンスターが何で僕の肩に乗っていたんだ?」




獣は一歩下がり、




「お願いがあります!僕も一緒に第3のダンジョンに居させてください!」




「理由を聞いても言いかな?」




現在BOSSしかいない、第3のダンジョンに取って、BOSS部屋までの通路で冒険者を迎い打つための、モンスターが必要だから、


自分から第3のダンジョンに来てくれるとなれば、ありがたい。




だが、理由を聞いてお金目的等と言った言葉が出れば、それは連れていかない。




「僕、もっともっと強くなりたいんです!」




これからの話はとてもとても悲しい話。




そして、獣は語りだす。




「あるところに一人の醜い獣が居ました。」




「その獣は生まれて来るときに獣の強さの証、歯が全て抜けてしまい、獣の集落では、獣の恥など言われ続けて居ました。」




「ですがそんな中、彼の支えとなっていたのは母親でした」




「母親は歯がなくても、どんなに周りから言われようともあんたは私の子供だよ!といつも言ってくれました。」




「母親の存在が獣の生き甲斐でした。」




「てすが」




「そんな時、集落に悲劇は訪れました。」




「悪魔のような冒険者達が集落に攻めてきたのです!」




「獣と母親は村を捨て必死に逃げました。」




「どこまでも、どこまでも。ですが逃げた先には違う冒険者達が居ました。」




「獣は冒険者に取っては格好の餌食でしょう」




「母親は獣に言いました」




「行きなさい!強くなりなさい!と」




「獣は走り出します。後ろを振り向くことなく。後ろからどんなに


残酷な音が聞こえても、走りました」




「日も暮れ始め、冒険者に見つからないように、獣は森の中に入りました」




「それがこの森です…」




「てことは君が?」




獣は口を開け、こちらを向く。




歯が一本も無い。




「やっぱり、醜いですよね!はは…」




「そんなことないよ!歯がなくても勇敢に強くなりたいなんて、分かった!連れていくよ!」




「キマイラ。色々とお世話になったな」




「また、薬草が足りなくなったらいつでもこい!」




キマイラと目を合わせ頷く。




「よし!行くぞ!」




「転移!バベル!」






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