第117話 ピエールの話12

コウエンジ連邦外務省および国務省に

バレンシア共和国から次の文書が届く。

 

宣戦布告文

 

我々バレンシア共和国は、コウエンジ連邦

およびその同盟国に対し宣戦布告する。

これは、太陽系に永遠の平和をもたらすための

行為であり、何人もこれに協力すべきである。

 

コウエンジ連邦とその同盟国は、市場を閉鎖し、

これは、軍事的侵略に等しい行為である。

我が軍の威光の前にただちに降伏し、愚行を正し、

民衆の苦を思いやるべきである。 

 

バレンシア共和国議会

 

その数秒後、第5エリア外側の宙域で

軍事演習をしていたコウエンジ連邦軍艦隊に、

多数の飛行兵器、誘導弾、戦闘機、人型機械

が群がり、それらを搭載していたであろう

多数の空母が続く。

 

この奇襲により、コウエンジ連邦側は、

大型艦船20隻を含む多くの艦船を失い、

大損害を被った。

 

しかし、この時偶然遠隔アンドロイドを使用

した艦船運用のテストを行っており、人的被害

についてはゼロだった。

 

戦闘が終了し、移動可能な艦船が引き上げた

のち、第5エリアより、大量のサルベージ船が

現れ、残骸を回収したのち、引き上げていった。

 

バレンシア共和国内は、この初戦の大勝利に、

大いに沸いた。そして、その後の数度の

戦闘により、コウエンジ連邦軍の人型機械小隊

の脆弱性を確認する。

 

彼らは、僅かな守備隊を残して、第3エリア

へ主力部隊を送り、決着を付けようとしていた。

彼らの戦力は、人型機械小隊が9小隊、

大型空母20隻。

 

ほぼ勝利を確信したバレンシア共和国側は、

もっとも有力な人型機械の3小隊を

コウエンジ連邦首都へ迫らせる。

 

それに対し、コウエンジ連邦側は、新型を

用意していた。新型の搭乗機には、各小隊の

メンバーが直接搭乗する。

 

エアロック内、第5小隊アラハントのメンバーが

人型機械母艦に乗る直前である。ぬらりひょん

選手の前に、長身の男が立ち、あとのメンバーは

ぬらりひょんの後ろ。

 

その長身、長髪の美男子は、ぬらりひょん選手に

手をかざし、ぬらりひょん含めたメンバーは

手を合わせている。

 

そして、戦闘に参加するすべての人々の事前

供養が済んだ。ぬらりひょん選手の覚悟が決まる。

 

母艦に乗り込み、長身の男が去り、エアロックが

開き、発進する。

 

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