第98話 ディエゴの話4
サキからすると、まったく不安がない訳ではない。
今回は守るべき対象が少し多い。
まずはボッビボッビだ。打ち合わせでは、入念に
立ち回りを打ち合わせる。もちろんトレーニング
でもやってきたことだが、とにかく危険から
うまく距離をとり、けして無理をしない。
護身術といっても、実際に組み付いたり投げたり
打ったり、というのは最後の手段だ。基本は周りの
状況を見て、距離をとって、周りの状況を見て、
の繰り返し。相手の二の手、三の手まで警戒する。
ボッビボッビの3人はそれがよくできた。
緊急事態でも落ち着いて行動できそうだ。
マッハパンチも期待できそうだ。見た目以上に
彼らの中身はクレバーだ。一見熱いように
見えるのだが。今回は、そこをうまく使う。
アラハントのアミ以外の4人は、素人と比較すれば
かなりマシなのだが、戦力として期待するのは
ちょっと厳しい。例えば軍用特殊型とはとても
太刀打ちできない。それはマッハパンチも同じだが。
こちらから攻勢をかけるとすると、やはりアミが
起点となる。今回はそこに一工夫入れる。
今回、諜報部から入っている情報では、おそらく
相手側はライブ中には仕掛けてこない。最も
期待できる襲撃ポイントはライブ会場を出るとき。
そこで、3バンドが使用する門をあらかじめ
わかるように情報を入れておく。
襲撃してくる側は、非合法の活動なので、警察
当局等は一応こちらの味方だ。そこの目測が
ずれると、お手上げになる可能性が高い。
リスキーであるが、重要な一手がここにかかっている。
太陽系外縁、クリルタイ国のリアン・フューミナリの
一計があった。
そして、出演するメンバーからすると、もうひとつ
気になる点がある。観客数である。今回は、巨大
な会場、といってもバレンシア共和国ではもっと
大人数を集めるライブがあるらしいが、20万人が
入るというのだ。
もちろん演ったことがないし、3バンドの方向性から
これ以降も特別な理由がない限りやることがないだろう。
そしていよいよライブが始まる。今回は、アラハント
から始まり、ボッビボッビ、マッハパンチ、そして
最後にネハンが登場する。
アラハントは比較的早い時間の17時からスタートだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます