第96話 ネルー【別ルート】

シエルを失ったクライドは雨の中で狂っている。シエル!どこにいるんだシエル!ネルーが現れる。あの女がどうかしましたか?アナトリアに核ミサイルを飛ばし、クリスタルを破壊。挙句の果てには私のガーネット様を殺した罪人です。私1人で戦闘不能に追い込み、今は国境で十字架にかけてますよ。力を信じるものは恐ろしい。目には目を。力には力を。とね。


貴様あ!俺がシエルの代わりにお前を十字架にかけてやる!


どうぞ?やれるものならね。貴方など私1人で充分です。


【ネルー対クライド】


クライドは詠唱破棄でメテオストライク。ネルーはバリアで防ぐが、クライドがネルーに接敵、ネルーのスターロッドを素手で叩き壊す。ネルーは詠唱破棄でクリエイトウェポン。スターロッドの代わりに街灯の杖を作り出す。ネルーは常闇の呪文を放つ!地獄へ堕ちろ、ハイランドの忌々しい神の剣め!しかしクライドは太陽の王の暁の呪文を使い、防ぐ。


俺は太陽の王の血をつなぐ者。始祖たる巨人よ、我に王の力を与えたまえ。クライドの全能力が向上。クライドはネルーに即座に接敵し、ネルーの首を満身の力を込めて絞める。ペンダントはどこだネルー!あれさえあればシエルは助かる。さあ?知りませんね。そうか。じゃあ死ね。クライドはネルーの首をさらに絞め、首を折るが、ネルーは笑っている。なんだ!お前は!そうですよ。私は人間ではない。私は天使であり、悪魔、ディアボロスです。ペンダントは貴方には渡さない。妹と同じように十字架にかけてあげます。クライドは叫ぶ。殺してやる!殺してやる!


ネルーは???の呪文を唱える。クライドと自身を地上から、天空の彼方へと移動させる。


ようこそ天上界へ!全ての運命のきっかけ、原因たる神の御許へ。あなたは現在、地上界と天上界の境目、第五のエーテルで出来ている月にいます。ここは過去の人々が見た夢、完全なる神の世界です。地上界を治めるべき選ばれた種よ。私は実験をします。火のエーテルよ!燃え上がれ炎よ!ここは速度に変化のない世界。万物の理が地上界とは違う。星々は等速円運動をし、回り続ける。ようこそ、何変わらない世界へ。さあ!真理を見つけるがいい!クライド!クライドの周りを炎が囲む。ネルーは『天球の回転について』という本を読んでいる。星々の法則よ、我に従え!メテオストライク!ネルーは再び呪文を唱える。クライドはバリアを張ろうとするが、万物の理が異なる第5のエーテルで出来た月の上では無効化される。クライドは全身を何度も岩に砕かれる。がはっ!クライドはしゃがみ込む。ネルーがひたひたと寄ってくる。無様なものですね。最期に妹の映像を見せてあげます。ネルーは街灯の杖をクライドの頭に当てる。シエルは十字架に架けられ、火で燃やされている。いやあああ!助けて兄さん!シエル!シエル!さあ、共に地獄へ堕ちるがいい。


──力が欲しいか?


クライドの頭に声が響く。ネルーはぴたりと止まり気配を探る。


──我はこの世の始祖の血を継ぐもの。太陽の王。運命を変える力が欲しくないか?


俺は!俺は!


ふー。天上界に来たのは失敗でしたね。私は人類で実験したかっただけなのに。相手になりますよ。太陽の王め!


俺は、運命を変える力が欲しい──。


クライドの身体を太陽の王が乗っとる。


──我が名はヤウ。万物全てを統制する、魔術王なり。──


久しぶりだな。悪魔め。余は神の領域を犯したもの。再び余のしもべとなるがいい。この世界と共に。第五のエーテルよ。星を構成するものよ、我が手に従い、つぶてと成りて、逆らうもの全てを打ち砕け!メテオストライク!

太陽の王はメテオストライクを放った。ネルーは人間の形態をやめ、ディアボロスに変身

。拳で全ての星々を打ち砕く。人間のお前は所詮神には敵わない。そうか?余はこの世の最初の王。神と交わり、今はない、ペンダントを受け継ぐ者。神から見放されたこの世で、神々の代わりに人類を統べるもの成り。余は君臨する、神々さえも、打ち砕き。手始めにお前を殺す。今ペンダントが無いお前にそれは出来ない。神の怒りを買いし罪人よ、再び地獄へ戻るがいい!ははは。地獄などこの神より見放された世界よりましだ。だから、私は再びこの世の王として君臨するのだ。あのペンダントは王たる証であり、余の器を選ぶ儀式であった。神の愛を失い、ペンダントに見放されただけの癖に、何を言っているのやら?お前は王たる器ではない。では再び示そう、余の力を。


【ディアボロス 対 太陽の王】


ディアボロスは即座に詠唱破棄で太陽の王の魔法を封じる呪文を放つ。しかし太陽の王も詠唱破棄の魔法を封じる呪文を放った。二つの魔力が拮抗し、太陽の王の魔力が上回る。ディアボロスは魔法を封じられた。馬鹿な!あまり人類を舐めないことだな。神から追放された悪魔め。これからお前をなぶり殺しにする。ペンダントのありかを教えろ。太陽の王の支配の魔法。しかしディアボロスには効かなかった。私とお前では、存在のレベルが違う。かつて神をかどわかしたこともあり、見事な魔法ですが、お前は悪魔である私を使役することは出来ない。太陽の王は魔剣でディアボロスを攻撃。幾つもの剣が、ディアボロスの腕に刺さるが、ディアボロスは構わず太陽の王に物理攻撃。しかし太陽の王はレビテーションでかわす。シエル!シエル!シエルを助けてくれ。無論だ。太陽の王は瞬間移動の呪文(ドア)を使った。太陽の王が取り憑いたクライドの前に、傷が癒えたシエルが現れる。ああシエル!よかった。よかった。クライドは気を失っているシエルを抱きしめる。馬鹿な!あの女は死んだはず!エントロピーは増大し、決して時は元に戻ることはないのに!ネルーの魔法を封じる呪文が解け、ネルーはシエルを魔法の光の矢で狙う。光よ!その者のあるがままを示せ!余がなぜ太陽の王と言われるか知っているか?雨がやみ、空が晴れ、太陽は皆既月食を起こす。光よ曲がるがいい。ディアボロスの天界に送った呪文が解け、悪魔と2人は空中を落下する。レビテーション!ディアボロスは天使の羽根で羽ばたき、シエルと太陽の王が取り憑いたクライドは上空で、ディアボロスと相対する。太陽の王は言う。下に何があるかわかるか?すでに廃墟になった、我が城。原子爆弾の跡地がある。人間の科学力は神の御技に勝てるのだ。余はこの力でもう一度、我らを見捨てた神々に復讐し、新たな神になるのだ。では神の裁きを受けるがいい!


兄さん、私はもっと愛してほしかったの。

何を言ってるんだシエル。行きましょう、私と共に地獄へ。我が力を宿す全てのエーテルよ。城の時を戻すがいい。城の時が戻り、幾つもの核ミサイルが発射される。ネルーは滅び、アナトリア、ハイランドも共に地獄と化す。さようなら、さようなら世界よ。私は幸せだったわ。シエル、目を覚ませ!目を覚ますんだ!


end

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