第93話 魔法国家アナトリア 対 ハイランド

「おはようございます。ガーネット様」

「起きるのが早いな、ネルーは。私も歳かな」

「はい、ケーキと紅茶を持ってきました。

「いつもすまないな。」


「今の戦の動向はどうなっている?哀れなハイランドの機械兵よ。あんなのは、雷とウイルスの呪文でどうとでもなる。勝ちは決まったようなものなのだが、何か引っ掛かるな。」


「たとえば?」

「ハイランドもそこまで馬鹿ではないと思うんだが。」



「うふふ。やっと兄様に会えるのね。アナトリアのクリスタルを使って、因果律を変え、兄様とふたりきりで時の果てまで永遠を過ごすの。」

「シエル様、あの、紅茶を……。」

「ごちゃごちゃうるさいのよ。お前が飲みなさい。」

「い、いや……」

「いいから!」

「死、死んだ。」

「面倒ねえ。ゾンビにして蘇らせて、アナトリアに兵としてぶつけましょう。」



圧倒的な魔法力で、ハイランドの兵達や機械兵を蹴散らすアナトリア。勝利は約束されたものだと思われたが……。


──ミサイルが飛んでくる!──


「馬鹿な…!」


魔法使い達は更に大きな円陣を組んでバリアを張るが、耐えられない!


物見台にいる見張りの兵士と、天空の要塞ごと、核ミサイルは全てを焼き尽くす!


「あれは1000年前に、あまりの残虐さで禁止された機械だ!なぜあんなものが!」


「ガーネット様!」「ガーネット様!」


核ミサイルは玉座にいるガーネットの下に飛んでくる。


数千人のアナトリアの魔法使い達は、ガーネットと国の民を守るべく、一斉にバリアを張る。 


しかし、ガーネット以外の兵は、死に、アナトリアの要塞は崩れて行く。


「ガーネット様万歳!」「アナトリア万歳!」


「出て来いガーネット、そうすれば、これ以上の攻撃はやめてやる。」


https://kakuyomu.jp/works/1177354054886878166/episodes/16817330655012792320


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