第79話 クライドの提案を飲む
ここは……どこだ?消毒液の匂いがする。
イグニスがベッドで目覚めると、イリアが心配そうにのぞきこんでいた。
イグニスの身体中の、これまでの戦いから経た傷が痛々しい。
イリアが包帯を取り替えようとすると、触るな!殺すぞ!とイグニスが一喝する。
ここには貴方が恐れるものは何もないわ。そうか。イグニスは両手でイリアを締め殺そうとする。イリアは気を失って倒れた。即座にアナスタシアが憑依し、周りの仲間もイグニスにとどめを刺そうとする。クライドは落ち着けと言う。クライドの妖精はこんな女死ねばいいのよーと言って飛び回る。ネルーが待ってください、と両者を止める。おかしなイグニスさんですね。イリアさんを殺すことも出来たはずなのにそうしなかった。私の妹だからだ。とイグニス。えっ妹?母が同じなだけだ。小さい頃は一緒に遊んでいたよ。イリアの兄は──血のつながりはないのだが──イリアが魔法を使えるから隠した。ハイランドでは魔法は禁じられている。火炙りになるからな。私は父親に引き取られハイランドの神の剣として生きることになった。それとアルベルトとは血のつながりはないよ。父親が気にいってるだけだ。私の伴侶にしようとしていた。
イグニスは水を飲もうとすると、咳き込み、血を吐いた。
私はもう長くはない。最期にイリアに会えてよかったよ。
イリアに何かが憑依する。
──救いたまえ──
イリアが大丈夫よと言ってイグニスの手を握ると、イグニスの吐血が止まった。
【神の器】め!──だから狙われるんだ!
イグニスは怒るが、失神してまた眠り込んでしまった。
ま、イグニスさんはこれから治るでしょう。とネルー。イリアさん、あなたは化け物じゃない。人間ですよ。
https://kakuyomu.jp/works/1177354054886878166/episodes/16817330650780393942
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます