(受付済)ヴィラン:『試作自立鉄騎兵』鈴音

「戦闘態勢に移行します――――――」


 いつの時代でも、真の敵は、無理解な身内の存在にある。

 私は、この兵器が、我が国の脅威を取り除いてくれると信じている。最小限の労力で、最大限の効果。敵が繰り出す決戦兵器を葬り、我が国の威信を高めてくれると信じている。

 しかし、上層部は、自立鉄騎兵を無用の長物だと切って捨てた。来年から、我々の部門には予算は下りないと決定されるそうだ。


 私の半生をかけて突き詰めた次世代の新型兵器は、二度と日の目を見ない資料室に、その存在を葬り去られる。よりによって、無能な味方の手によって。

 だから、私はこの戦いで証明する。私の人生をかけた試作兵器が、役に立つ存在であるということを。この戦いに勝てば、無能な上層部も、兵器の有用性を理解するだろう。しかし、万が一この兵器が敗れることがあれば、私はこの研究所を即日退職する。


 幸運を祈る。


(とある研究所の所長の日誌より)



【キャラクター名?】『試作自立鉄騎兵』鈴音リンネ

【操縦者】AIによる無人操縦

【性別(操縦者?)】音声は女性

【所属陣営】♠

【性格(操縦者)】AI。超高速思考で淡々と判断する。


【武器】

試作フォトンセイバー:両腕部の先端と、肘のあたりから赤い光を発する計4本の光線剣。使わないときは光を消す。試作と言いながらもなかなかの威力で、一歩間違えると自身の装甲を焼き切ってしまうほど。この4本の光線刀を超反応で振り回し、敵をみじん切りにする。


属性反射シールド:飛び道具や魔術を反射するシールド粒子を展開する。動力部への負担が大きいため、連続使用ができるのは3分ほど。


亜空間浸透ポータル:この機体の目玉機能。なんと機体のワープが可能になる。

しかし最大瞬間移動距離は100メートル。技術はまだ未熟のようだ。


その他、飛翔ができるブースターや、自動修復のナノマシンを内蔵。



【容姿】

 オードソックスな人型兵器。体高は6.4m、操縦席などはなく、AIの無人操作で行動する。

 全身のほとんどが銀色で、腕や脚部に識別用の赤いラインが入っているだけ。つまり、ほぼ塗装してない。頭部はドラゴンのような形をしており、鹿のような角が数少ないこだわりを見せている。

 目が赤い光を放つが、この頭部はあくまでダミーで、吹き飛ばされても経戦能力にほとんど影響しない。それどころか、胴体さえ残っていれば手足がもがれても動ける。胴体だけは異様に頑強で、特に腐食に強い。

 動力は燃料電池バッテリー式だが、稼働時間は余裕で1週間を超える。


 隣国の独裁国家の拡張を懸念したある国の技術者が、要人暗殺のために作った浸透強襲兵器を巨大化、無人化させたもの。

 おりしも所属国家が、政権交代でタカ派の政権からハト派の政権に移行し、軍事費は激減。そのあおりを受け、兵器は開発中止を言い渡された。

 納得のいかない兵器の研究部門は、兵器の有用性を証明すべく、社長戦争の代理として登録した。



・その実態。

 ♣にある某エクスキューショナーとは逆、ネーミング詐欺の機甲ユニット。

 攻撃方法は近接のみだが、ワープで一瞬で距離を縮めてきたり離してきたりする、なかなか面倒な相手。

 なにやらどこかの研究所の命運をかけているようだが、この大会でヴィランに登録してしまった時点で、結論はお察し。つーか、試作機でこれなのだから、正規の機体が量産されたら、いろいろヤヴァイ。世界平和のために、敗北して、さっさと資料室で埃をかぶってどうぞ。

 

・ベルの位置

 機体内部のAI制御装置の中。取り出すとどのみち機体は機能停止する。


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