短歌記憶帖9

森の 仲間



「うちのクラスにそんな子いたね」今もいる! 置いてけぼりの子はここだ!





残り湯に浸るは夜の一時半へりに耳付けわが身を憩う




境内に足踏み入れば音ザラメ 幼き頃のドーナツに降る




悶着も涙と共に一区切り宵口の風まろやかにある




「花火」から浮かぶは光と音なれど思い出したり昔の家族を




教会を歩けば鳩に飛び抜かれ天使が来たかと期待したのに




さみしくもなる ザリガニもバケツも石もパンツまで置き去る甥に




親戚に知らぬ顔ふえ恒例の頼りの話題も細くなりたり




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