第30話 四大天使の真実

俺は夢が脳内に焼き付いて忘れられなかった。




 ロスト神話とは何だ? 『アレ』が独裁者ではないのか。




 もっと上がいるのか⁉ 分からない。




 アダムとイブとは何だ。人類の始まりなのか?




 だが俺は考え事をいつまでも宿でしていても仕方ないので天空の塔に向かう。




 「来たわね。いい決して天使に逆らってはいけないよ。また深く関わってもいけない」




 無理な注文だ。




 ウリエルが協力しないのなら殺し、




 協力するのなら仲間に引き入れる。




 シンプルにそれだけだ。




 天空の塔から飛行船が出る。




 思ったより小さく、俺達しか乗れなかった。




 天界まで数日かかった。




 その間は飛行船にある部屋で休んでいた。




 「なあリヒト、ロスト神話って知ってるか?」




 リヒトは驚いた顔を見せる。




 「昔転生する時、女神から聞いたことがあるよ。それに一人の少女の神話があるだろ? あれがロスト神話の派生だと僕は思っている」




 そういやエデンも神話の話をしていたな。




 授業でも度々触れていた。




 しかしその神話に名前はなかった。




 妙な話だ。




 「ロスト神話がどうかしたのかい?」




 「いや何でもない」




 リヒトは横目で僕を見てその後瞳を閉じる。




 俺達5人は数日後天界へと辿り着いた。




 天界の入り口が存在した。




 てっきり雲の上に浮いてるのかと勝手にイメージしていたが、そんなことはなく人間が住まう街並みと余り変わらなかった。




 まあ外装は豪華だが。




 「ここからなら奥地まで一気にいけるよ。ルクスか僕がスキルで連れていこう」




 「少し観光していこうぜ。折角だし何か土産でも買ってさ」




 ハイルは頭を抱え、シルフはよだれを垂らし、サラマンダーも同じくよだれを垂らし、




 リヒトだけが驚いていた。




 「何か考えがあるのかな? それならいいが」




 「天界にも宿があるだろ。そこで脳内に直接イメージを送ってやる。監視されてたらたまったもんじゃないしな」




 「成る程。なら観光していこうか」




 俺達は5人天界を観光する。




 観光名所の割に人間が俺達以外一人も見当たらない。




 いるのは白い羽の生えた天使達だけだ。




 街並みは本当に人間界と変わらなく、しかし色合いは白い建物ばかりだ。




 市場で買った林檎を齧りながら一つの図書館に入る。




 「人間とは珍しいですね。観光名所なのに人は寄り付かなくて」




 「ここは図書館なのに色々飾ってるんだな」




 俺達に話しかけてきた天使は妙な事を言っている。




 観光名所なのに寄り付かないと。




 導き出せる答えは一つしかない。




 人間は天使を恐れているんだ。




 だとすれば天使は敵だ。




 「ええモンスターの化石など色々飾っています。是非見学していってくださいね」




 俺は図書館で探したい書物が存在した。




 それはロスト神話についてだ。




 だが不思議と一冊も存在しなかった。




 隠されている気がしてならない。




 俺達はその後も色々周り観光を終えると疲れたので、温泉付きの宿に一泊することにした。




 「ハイル、リヒト、シルフ、サラマンダー、四人とも覚悟はいいか?」




 全員が頷く。




 チートスキル発動


 記憶移動ブレインヴァンデルン




 俺は4人の脳内に俺の記憶を移す。




 その後リヒトは狂気の笑顔を俺に見せる。




 「成る程僕の考えは間違いか。黒幕は『アレ』じゃなく、もっと上がいると。しかし復讐には関係ない。『アレ』は僕が殺させてもらう。それと最後のイブのセリフが気になるね」




 まあ確かにリヒトの復讐相手が変わるわけではない。




 「余り会話をするのは止めようぜ。監視されている可能性もある。明日四大天使にロスト神話を聞く。宝石ついでにな」




 「そうね、それがいいわね」




 俺達は食事を取り、ベッドで就寝した。




 次の日俺達はチートスキルで四大天使が住まう宮殿へと、移動する。




 階段が一つだけだ。




 階段の頂上には大きな椅子が存在する。




 そこに一人の天使が座している。




 「転生者ね。私に何の用かしら」




 人間とサイズが変わらない身長に白い織物を羽織っている。




 頭の上には天使の白い輪っかがついている。




 ピンク色の髪にピンク色の瞳だ。




 膨大な魔力を有しているのが分かる。




 「お前がウリエルか? 随分とお仲間が少ないようで」




 観光名所と言いながら天使の数も極々少数だった。




 奇妙な光景であった。




 「ええ。そのお仲間のラファエルとルシファーに殺されたのよ。ガブリエルもミカエルも、他天使もね」




 何⁉ 同じ天使同士で殺し合ったのか、何故だ。




 「宝石持っていないね。私の情報だと持ってた筈なのに」




 シルフが怪訝そうな顔で話す。




 確かに宝石が反応しない。




 「宝石ならラファエルに取られたわ。四大精霊のシルフね。残念だけど所持者は私ではなく、ガブリエルだったのよ」




 おいシルフ情報間違ってんじゃねーか。




 取り越し苦労に終わったじゃねーか。




 「なら宝石の件はもういい。ロスト神話について聞かせろ」




 ウリエルの表情が一変する。




 「不可能よ。私が堕天使にならない限り、神には逆らえない。最もラファエルとルシファーは堕天使になったけどね」




 「なら堕天しろよ」




 ウリエルは椅子から立ち上がり、左腰に帯同している剣を抜く。




 「私を殺せば私の『ブレインロック』が解けるわ。私を全力で殺しにきなさい」




 ウリエルは大きな大きな羽を広げ、剣を俺達に向けた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます