第26話 謎のハーレム地獄の1日になりました。
色々あってから一週間が経過した。
エルフの三人も学園生活に慣れて、友達も出来ている。
エルティアとアクアとは同じクラスだしな。
俺は授業が終わるとアウラに話しかけられる。
「今日買い物付き合いなさいよ」
「はい」
まったく奴隷なんてなるもんじゃなかったぜ。
しかし、この話を聞いていたイドラが私も行くと言い出し、どうせなら皆誘いましょうということで、誘えるだけアウラは誘う。
結果アウラ、ハイル、イドラ、クラーラ、エミリアの五人と買い物をすることとなった。
「それで今日は私の寮でご飯一緒に食べましょう。材料の買い出ししましょう」
アウラ達はドラゴンの肉を使ったハンバーグを作るらしく、俺を含めて六人で買い出しをする。
勿論材料代、荷物運びは俺。
ふざけるなーーー。
貧乏学生では決してないが、何で材料代俺なんだよ。
しかもドラゴンの肉高すぎだろ。
「良かったですねルクス。ハーレムで」
クラーラ。ハーレム天国なら良かったかもしれないが、ハーレム地獄は良くない。
「ってかエミリアいつまで俺の奴隷でいるんだよ。お前まで俺の荷物運び手伝わなくていいぞ」
エミリアは頬を赤らめながらツンツンにして言う。
「悪い、手伝ってあげてるだけよ。大体奴隷の件はなしよ。あなたが言ったんじゃない」
まあ奴隷なんて要らないけど。面白いから奴隷のままでいてもらおう。
「やっぱり奴隷は必要かな?」
俺が面白おかしく言うとエミリアは更に顔を赤らめる。
こいつドMで変態なのだろうか。
「どっちなのよ。はっきりしなさい」
「冗談だよ」
俺とエミリアのやり取りを他4人が見て楽しそうに笑う。
「さあ買い出しも終わったしハンバーグ作るわよ」
『おお』
6人全員何だかんだでノリが良かった。
でだ? 俺料理できませんけど。
俺とエミリア、クラーラは料理が出来ないので最低限の手伝いをする。
アウラとハイルとイドラは挽き肉を捏ねたり、色々な行程を経て、フライパンで焼く。
アウラはスキルを発動する。
おお、料理に魔法を使用するのか。
前世で俺が憧れていた奴だ。
まさかこのような場面に出くわすとは。
感慨深いな。
「さあ出来たわよ。塩コショウで味付けしてるけど、タレを使いたい人は使うように」
『いただきます』
俺は一口食べると肉のジューシーさが伝わってきて頬が落ちそうになる。
「美味しいな」
「普段ろくなもの食べてないあなたにはいい薬でしょ」
「悪かったな。料理できねえんだよ」
俺とアウラの会話を聞いて、ハイルは疑問に思う。
「チートスキルで料理具現化すればいいじゃない」
おおその手があったか。次からそうしよう。
「駄目よ。料理は手作りこそ至高よ。明日からお昼弁当作ってあげるわよ」
本当ですか!? 嬉しすぎるぞ。
「ちょっと待ちなさい。私が作ります」
まさかのイドラ参戦。
「私も作りましょうか」
ええ、ハイルも参戦。
嬉しいけど何か地獄絵図になってきたような。
「それなら私だって作るわよ」
エミリアお前は料理出来ねーだろうが。
俺を殺す気か。
クラーラだけは無関心のように一人ハンバーグを食べていた。
俺を見てニヤニヤして。
どこも無関心じゃねーなこいつ。
この日夜遅くまで誰が弁当作るかで揉めていた。
俺ってこんなにモテてたっけ。
つーか疲れたー。
俺は自分の寮に帰ると脳内に今日の出来事を思い出す。
まあたまにはいいかこういう何気ない日常があっても。
そうだ、明日はヴァイゼから転生者について聞かないとな。
俺は今日の出来事の興奮のせいで寝れなく、自分の首飾りを見る。
やばいな。実の両親の顔が覚えていない。
いつか会えるのだろうか。
俺は眠りにつく。
しかし、ある大きな物音で起きた。
なんだ、なんだ。
「痛いわね。しかもビスケットしかないなんて貧相ね」
そこには風を纏った謎の妖精、いや精霊がいた。
何で俺の寮にいるんだよ。
俺トラブルメーカーかもしれない。
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