第1話 女子だけなんて聞いてません。
俺はある王族の次男として生まれた。しかし、王族の方針かは知らないが、両親は俺に名だけを授け、ある魔法が栄えた村へと養子に出した。要約すると捨てられたのだ。
それから十数年が立ち現在13歳となった俺は今日村から旅立つことを村の掟で決められていた。
「ルクスいいかのう。これからは一人で生きていくのじゃ。教えられる事は全て教えた。お主には才能がある。頑張るんじゃぞ。学園への手続きは完了している、幸運を祈る」
「ああ婆さんには感謝しているよ。今日まで村の人もありがとう」
俺の名前はルクス。それが実の両親から与えられた唯一の物だった。
しかし婆さんといい村の人といいなぜこんなにも笑顔なんだ? まるで俺が出て行き嬉しいような。
俺は実は婆さんや村の人には見せていない力を持っている。そう何を隠そう女神から与えられたチートスキルだ。一人の時にしか使わない。女神は何のために俺に複数のチートスキルを与えたのだろうか。実に疑問だ?
「では行ってくる」
「さらばじゃ。達者でのう」
俺が村を出て数分後こっそり村に戻ってみると、村の人々は大喜びで宴会をしていた。
いやなんでだよ。ここでも厄介者扱いかよ。俺の人生不幸すぎるだろ。まあこれでも前世と比較すると随分マシである。
さてこのチートスキルで異世界を無双しますか。待ってろ魔王。
いや魔王なんているのかな。何せ村と森以外この世界の事知らないから常識にかけている。
俺はチートスキルの一つ
そう俺のチートスキルは複数あり、その中の一つがこの
方角は南東か。距離は300キロ以上離れているが、俺のチートスキルを使えば無問題。
チートスキル発動
さて行きますか。
「ここが学園がある国であるアルカディアか。意外と大きい…………ってゆーか大きすぎいいいい」
いかんいかん。あんな狭い村にいたからついついはしゃいでしまった。アルカディア国に入るには顔写真付きの身分証が必要だったな。婆さんから持たされているから安心だ。
「身分証の提示をお願いします。数分お待ちください」
検問所の女性可愛いな。是非とも一晩お相手を……って俺今13歳だったな。いかんいかん前世の童貞を引きずっている。
「確認できました。どうぞお入り下さい」
どうやら身分証に付いている番号に犯罪歴や病歴他諸々が紐付けされているらしい。詳しい事は知らん。ていうか興味ない。
さーて学園に向かうか。俺はアルカディアの景色を堪能しながら学園へと向かう。
「貴様止まれ? 神聖なアルカディア女子魔法学園に何用だ」
は? 誰だ。後ろから殺気ダダ漏れなんですが。そして女子魔法学園って何? 俺の聞き間違いだよな。
「ええと来週から転入予定のルクスという者だが」
「ルクスだと⁉ そうか貴様が唯一の例外か、容姿は褒めてやる。しかし能力はどうだ、ここでは弱者は生き残れない」
うわあ~何かここでも例外扱いされているんですけど。ていうかもしかして男子って俺だけなのか。コミュ障の俺には無理ゲーじゃん。
「学園長室に行く前に私と1対1で勝負だ。負ければ学園入学は断念してもらう」
「いや戦わないよ面倒くさいし」
「なっ……私の命令に背くだと。ははっ面白い。ではここで勝負だ」
俺はチートスキルを使わずナメプを行う。婆さんに習った具現化魔法で剣を具現化して戦う。
キィン、キィン、ガキィン。
剣と剣が交錯する。相手の剣が折れるまで付き合う。
バキィン。
剣の折れる音がした。ああ相手の剣折っちゃったか、仕方ない。
「理解したかこれが強さだ。俺は最強だ」
一度は言ってみたかったセリフ第5位には入るだろうな。ああ~快感が凄い。
「私の負けだ。学園長室に行くがいい」
美少女だけど地雷っぽいんでスルーしよう。
学園長室に入室し、手続きを済ませた事を報告すると、学園長は衝撃の一言、でも俺は予想していた一言を発した。
「男子はルクスお主だけだから」
婆さんは何を思って女子しかいない魔法学園なんかに俺を入学させたのだろうか。
「転入試験は受けなくてよい。勉強は並以下強さは最強クラスなのは十分理解しておる。来週から宜しくのう」
「ははっ……頑張ります。勉学にも励むよう努力します」
俺の第二の人生はここから幕を開ける。
コミュ障だけど大丈夫だろうか? とても心配だ。
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