わたしと偏見とキミと
芳武順
プロローグ
――私には気になる人がいる。2年生になって同じクラスになった男の子。彼は、あまり人と話さない。教室にいるときは、たいてい本を読んでいる。教科書だったり、参考書だったり、ブックカバーがされた文庫本だったり。人と関わるのが苦手なのだろうか。本が好きなのだろうか。聞いてみたい……。
不思議なのは、彼がペンを持っているところを見たことがない。授業中も握っていない。教科書と黒板を忙しなく見る。黒板を写したり、先生の話をノートに取ることもしない。一度見たり聞いたりしただけで、全部覚えられるのだろうか。だとしたら、天才なのかも!
聞いてみたい。聞きたいことはたくさんある。
……けど、なんだかなあ……。
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