隙間
悠里 陸奥
隙間
これは……誰もが一度は耳にしたことがあるんじゃないかな?
ほら、「地獄の入口になってる戸棚」や
「異世界へ通ずる開かずの扉」とか。
最近の学校の七不思議とかにもあるぐらいだもの。噂ぐらいはあるよね?
今回の話は、「隙間」についてのお話。
隙間って何処にでもあるね。細いところや、狭いところ、人一人通るのがやっとのところ。犬や猫が通るところ、実に様々だね。
そんな隙間に、何処か別の世界に通じる力があるって知ってた?
場所は様々らしくて、望むところに行ける人もいるし全然違うところに行く人もいるんだって。
行く人も決まってない。
友達と別れたばかりの小学生。暗い顔した学生さん。早足の厚化粧したOL。体格の良いいかにもガキ大将な男の子。杖をついて歩くのがやっとのお爺さん。
君ももしかしたら、行く機会があるかもね。
そのときは是非、話を聞かせてくれよ?
あ、でも聞いた話だと行った人は殆ど帰ってこないんだって。理由は分からないけどね。
たまに帰ってくる人も居るらしいけど、浦島太郎のように何十年後って人も、時間的にはほんの一瞬しか経ってないって人も居て、
全く何処を切りとっても、確かな情報なんてものは出てこないねぇ
まぁ、でもこれだけは確かだって言えるよ
人が居ないときの隙間は特に
別世界と繋がりやすい
ってね。
何でそんなこと言えんのって?
そんなん簡単だよ。
実際に体験して戻ってきたから、じゃない。
俺が実際に連れていく側だからだよ。
歩いていて、壁と電柱の隙間が歪んで見えたらそこを通って見て。
俺が居たら、君の望むところに世界を繋げてやるよ。
精神的に疲れたなら、夢の世界へ
体が使いもんにならないなら、魔法の世界へ
いじめっ子なら地獄行きかもな
いつか君と一緒に遊べるといいな
もし迷い込んでも、怖がらないで。
すぐに迎えに行く。
君の近くの「隙間」で、待ってるね。
隙間 悠里 陸奥 @Yuru_fight
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます