第46話 タダより高いものは
さて、無事職人ギルドを黙らせたのは良い物の……
黙らせただけで、施設とか使えないっぽいんですが。
まあその気になれば宿屋でも作れるから問題ない。
とりあえず次は商人ギルドに行って商売の許可を取らないと。
今までの異世界転移では基本的に戦いばかりだった。
不老の方法を探した事で魔道具や薬の知識は身に付いたけど、この世界にも同じ材料があるとは思えない。
この世界で手に入る材料で何が作れるのか試す時間も必要だ。
というわけでとっとと露店か何かやる許可を貰おう。
やって来ました商人ギルド。
もう夜だけど、ギリギリ開いてたみたいで助かった。
宿屋で遠くの国のお金が使えるか怪しいし、商売始めるまでは野宿も覚悟しないといけないかも知れない。
受付には……オッサン。
あれ?この世界は受付に美人いないの?
美人受付嬢とかいう単語は存在しないの?
ま、まあいい。
必要なのは商売許可であって、読者サービス的なお色気じゃ無い。
重厚でテカテカしているカウンターに頬杖をつく受付オッサン。
明らかにやる気が見えないんだけど、この町大丈夫なのか?
「あん?商売許可?そんなもん出す訳ないだろ。
商品なら買ってやるよ、タダでな!」
とか言いながらゲラゲラ笑ってるんですが。
あれか、旅の職人に良い物は作れないとかいう考え方が影響してるのか。
残念なことに何を作って売るかも決めてないから、具体的な話は出来ていないし冷やかしと思われた可能性ももちろんある。
でもムカつくことに変わりは無いわけで。
「じゃあ俺が補助するから、感謝の気持ちを表してくれよ。
それならタダで商品を渡すからさ。」
俺がそう言うと、受付オッサンはニヤニヤしながら承諾する。
言質は取ったウホウホウホ。
「俺の故郷や周辺の国で、形は違えども共通する作法があるんだ。
…叩頭っていってさ、頭を地につけるんだよっ!」
受付オッサンの頭をつかみ、カウンターに叩きつける。
あくまで死なない程度に加減を忘れない。
「さらに三顧の礼って言葉もあってさ!
3回繰り返して誠意を見せるんだってさ!」
なんかちょっと違うかも知れないけど、言葉に合わせてもう2回叩きつけた。
受付オッサンには既に意識がない。
叩きつけた音でやって来たのか、奥にいる人はこちらを見て固まっている。
最近暴力ばかりな気がするけど、これは相手が悪いよね。うん。
……そう言うことにしておこう。
恩には恩で返すのに、喧嘩売られたら買うしかないよね。
ちょっと
とりあえず奥にいる人に責任者を呼ぶように言うと、どう伝えたのか完全武装の兵士が沢山出て来た。
……最近ゴリ押しで状況悪化し過ぎじゃないかな?
も、もうちょっと頭使おうかな……
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