ふたつのこころ
勝利だギューちゃん
第1話
男女の仲は、とても難しい・・・
難しくて当たり前・・・
男と女は、全く別の種類の生き物だ・・・
なので、当然すれ違いや、考え方に差が出る・・・
「女の子の気持ちがわからないなんて最低」
よく耳にする言葉だが、それは心外というもの・・・
違う種類の生き物なんだから、わからなくて当たり前だ・・・
「ねえ、どうしたの?今日の君、おかしいよ」
「・・・えっ・・・」
「なんだか上の空って感じ・・・何かあったの・・・?」
「・・・いや・・・」
「私にも言えないの・・・」
「・・・すまない・・・」
こうして、数年間付き会った彼女と別れた・・・
彼女は悪くない・・・
僕が彼女の、気持ちに気付いてやれなかったのが原因だろう・・・
僕は、絵を描いている。
今度、絵の修業のために、パリに留学することにした。
僕の絵の師匠が、援助をしてくれた・・・
その話に飛び付いた・・・
だが、このままでは、彼女に迷惑をかける。
だから、理由を告げずに、自ら身を引いた・・
僕が絵を描いているのは、彼女も知っている。
何度か入賞もした。
でも、彼女は僕が趣味だけで、描いていると思っていた・・・
結婚を前提のお付き合いだったが、夢は捨てきれなかった。
僕は、彼女より絵を選んだ。
あきれられも当然だろう・・・
だが、これでいい・・・
出発前日までに、身の周りの整理をした。
これで、この国に未練はない・・・
出発当日、僕は空港まで列車に乗った。
いわゆるアクセス特急だ・・・
空港に着くと、僕の前に1人女性が現れた。
キャスターと鞄をいくつか持っていた・・・
その女性は、別れたはずの、あの彼女だった・・・
「お願い、私も連れてって」
「どうして、ここに?」
「君の絵の師匠から、聞いたの・・・」
「でも、迷惑かけてしまっては・・・」
彼女の顔が険しくなる・・・
そして、僕の頬を叩いた・・・
「私は君の彼女じゃなかったの?
彼女なら、彼氏の一緒に苦労をしたい。君の支えに成りたい・・・」
「・・・さん」
「でないと、私は君に・・・いえ、あなたに、えばれなくなるわ・・・」
彼女は泣きわめいていた・・・
僕は彼女の手を握り
「想像以上の苦労が待ってるけど、いいよね」
「もちろん、私はあなたと夫婦になるんだから・・・
夫婦は苦労を共にして、当たり前よ」
こうして二人は、フランスへと旅立った・・・
男女の心が一致して、初めて夫婦となる。
挙式は、かなり後になるが、妻なら許してくれるだろう・・・
ふたつのこころ 勝利だギューちゃん @tetsumusuhaarisu
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