Today, Tomorrow, The day after tomorrow

第1話

踏切に立って

通過列車を数えよう

ため息の重さを測る

計量器を探し出そう

足元にはりついていた影は

ちょうど線路に掛かりかけている

深くなっていく群青色と

重くなっていくため息と

「今日」という1日が

またこの場所で結末に迫っている

ゴールテープに見えた深夜の静けさは

号砲の後に訪れる喧騒だった

闇はまた白んでいき

鳥の気配が迫ってくる

「明日」だった1日が

「今日」の序章になって現れる

戻ってきた群青も

つくことさえ忘れられたため息も

あっという間に過ぎていき

またこの場所で深くなる

またこの場所で重くなる

そんな「今日」は何度も続く

ピリオドではなくコンマを打たれて

数字だけが進んで行く

そうして天を見上げる

落ちる陽は始まりと同じ色だった

始まる1日は昨日の再再生だった

今日も明日も明後日も

同じ景色が流れていく

そしてそれこそが奇跡なのだという