第21話 セキュアブラッド本社

セキュアブラッド本社ではレジーがデータに細工を行ってすぐに保存先アーカイブにあるバックアップデータの障害が検知され、代表の渡瀬への報告がされていた。

海外のアーカイブセンタから緊急のアラートメールがセキュアブラッド社の管理システムに届いたのだ。


「ケチュア国のアーカイブセンタに送った最新のバックアップデータがビットレベルで改ざんされています。しかも内容の論理的整合性を保ったままですので、プログラム処理によるデータ回復は不可能です。

バースト転送で送る前、こちらの国内で改ざんされたものと思われます。」

渡瀬が言う

「おい、うちの表の顔は情報セキュリティの会社だぞ。泥棒が泥棒に入られた様なものだ。お粗末すぎないか」

叱られた男が続ける

「同時に送られた新種のウィルスがバースト転送のデータを開いた時に拡散されて、改変された最新のバックアップのデータを5世代のバックアップ全てに上書きされてしまいました。

このウィルスも一般的なものではなく、こちらの環境に合わせて特別に作成されたようです。

今のアーカイブセンタにあるバックアップデータは全部捨てるしかありません。データ転送中にこんな事を我々に気づかれずにやるにはスーパーコンピュータか、国のインフラAIでも使わないと出来ないはずです」


「 国のインフラ?ラズベリーAIシステムか?」


「仮の可能性のみです。 公共のインフラであるラズベリーAIシステムを操ってそのような指示を与えられる個人や団体は現在も過去も存在しません」

渡瀬が言った

「いや、本当にいるのかも知れない。そしてデータを消したのはそいつかもな。

騒がなくていい。たかが、本体のデータに何か起こった時の為のバックアップだ。オリジナルのデータはちゃんとここにある。

それより、当社の環境のみを標的にしたウィルスというのが気にかかる。

我々の計画が気づかれて密かに対策を打っているのかも知れない。計画の実行を早める」


渡瀬の秘書が知らせる

「代表、広瀬刑事から連絡です」


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