雄子はヒーロー女子っ!!
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第1話 オタク!特撮女子!
「うわぁ!カッコいい!」
小さい頃、私はテレビに映るヒーローを見ながら育った。本来ならば男の子が見る番組を私は見ていた…周りから変な目で見られてもヒーローを見ている時間が一番幸せだったから…
ー現在ー
そして今、私「英前雄子」は高校1年生の16歳。当然ながら青春を謳歌する気はない!!私の青春というのは特撮を見て目を輝かせることなんだーーー!!!………いきなり何言ってんだろ、私。
「ねぇー!昨日の番組見た!?竹内くんめっちゃかっこ良かったよねー!」
クラスの女子が何やら盛り上がってる。クラスでの私の仲はそれほど悪くない方。まぁみんな私が特撮オタクってことは知ってるし。会話をしている女子のグループに問いただしてみる。
「昨日、竹内涼真くん出てたの?」
「出てたよー!というかここ最近、毎日テレビ出てない?」
「へぇー…テレビつければ仮面ライダードライブこと泊進之介が見れると…」
バラエティ番組には興味ないが、特撮俳優が出るなら一気に見る価値がぐぐっと上がる。
「えっと…まぁ確かに竹内くんは仮面ライダーやってたけど…」
「雄子って何かイケメン俳優の見方がちょっと違うよね。」
言ってることに偽りはない。ただ正直に言わせてもらうと「仮面ライダー」とかからイケメン俳優をやり始めて現在人気のイケメン俳優をカッコいいとか言ってる女子は大抵仮面ライダーとかから始めたことを知らない。こういうことを知った上で「カッコいい」って言ってほしいものだが、伝わらないこともある…
「ねぇねぇ!放課後カラオケ行かない?雄子もほら!」
カラオケなら行ける…何故ならカラオケの曲選択には「特撮」のカテゴリが大抵ある。しかも映像が当時のものを流すものだから思い出の曲を歌いながら映像も楽しむという…
「良いよ!全然オッケー!」
ー放課後ー
みんな思い思いの曲を歌い、ついに自分の番がくる…選曲は三浦大知の「EXCITE」。「仮面ライダーエグゼイド」の主題歌だが、今回は歌うのではない。そう…「あのシーン」を再現するためにこの曲を選んだのだから!
ピロロロ-…
最初の特徴的なノイズがかかる。この次から台詞を言えばタイミングは完璧だ!
「宝生永夢ゥ!!何故君が適合手術を受けずにエグゼイドに変身出来たのか、何故ガシャットを生み出せたのか、何故変身後に頭が痛むのかァ!!その答えはただ1つ…ハァー…宝生永夢ゥ!!君が、世界で初めて…バグスターウイルスに感染した男だからだァ!!ダァーハハハ!!!」
よし完璧。一字一句間違えずに「社長」の例のシーンをこなした…最高だ…
「あ、スキップしていいよ。」
「歌わないんだ…」
さっきのシーンの再現が衝撃的だったのか、みんな唖然としている。まぁ曲かけていきなり人の名前呼んだらそりゃ唖然とするよね。
ー雄子の部屋ー
例のことはともかくカラオケ自体は楽しかったからいいかな。さぁてここらでバンダイの新商品でも確認するかな。
「ちょ!9月1日のジクウドライバーを購入すると数量限定で「DXクローズライドウォッチ」が貰えるって!?即効予約しなきゃ!」
通販サイトのページに移動して予約の在庫を確認する…
「やっぱどこもいっぱいかぁ~…仕方ない、直接買いに行くとするか…」
こうなれば自分との戦い…寝坊すればジクウドライバーは転売ヤー達の餌食になり、次の日の「仮面ライダージオウ」の初放送日をどんよりとした空気で見ることになる……絶対起きなきゃ…目覚めろー!!私の魂ー!!
続く。
次回予告
雄子は自分との戦いに勝てるのか!?
「7時34分…行ける!」
数量限定の争奪戦に打ち勝て!!
「今の私は負ける気がしねぇ!!」
次回「争奪戦にいらっしゃいませ」
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