白い道・・・
勝利だギューちゃん
第1話
ただひたすらに歩いた・・・
周りには何もない、人もビルも木も草も・・・
あるのは、まっすぐに伸びた道のみ・・・
後には道はなくなっている・・・
後戻りはできない・・・
(進むしかないのか・・・)
不思議と息は出来る・・・
どこからか、酸素だけは、流れてきているようだ・・・
たまに、食料と水が置いてある。
飲食には不自由しない・・・
ただ、食事の時以外は、休むことを許されていないようだ・・・
生理現象がないのが、不思議なところだが・・・
ただ、前を進んで歩き続ける。
ただ時々、ひとりの若い女性が現れる。
「よっ、がんばってるね」
「まあな」
「えらいぞ」
「君はだれだ?」
「君の監視役」
「監視役?」
「君が、たゆまないようにね」
「誰に頼まれた?」
「誰からも・・・」
「えっ?」
「私の意思」
いつ現れたのかは、もう覚えていない・・・
でも、彼女とのやりとりが、精力剤になっている・・・
この女性が現れるのは、不定期・・・
だけど、限界を感じた頃に現れる・・・
まるで、見透かされているようだ・・・
「ねえ?」
「何?」
「辛くない?」
「何が?」
「歩くのが・・・」
「いや、全然」
「本当に・・・」
「ああ」
「なら、いいんだけどね・・・」
ただ歩くひたすらに、それしか選択肢はない・・・
ないはずだった・・・
しかし、あるところで分かれ道に出た。
右の道のすぐ先には、ゴールと書かれていた」・・・
左の道は、まだまだ続く・・・
「ねえ、どっちを選ぶ」
「何が?」
「ゴールする?それとも・・・」
「考えるまでもない・・・」
僕は左を選ぶ。
「それでいいの?」
「ああ」
「本当に?」
「まだまだ、リタイアはしないよ。」
「何を」
「僕の、人生というレースを・・・」
そう言って、歩き続けた・・・
「がんばれ!応援するぞ」
後ろで彼女の声がした・・・
また、会えるだろうか・・・
白い道・・・ 勝利だギューちゃん @tetsumusuhaarisu
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