文学的百合的

文学的百合的

「星が綺麗だね」

「月は？」

「月より星のほうが好き」

「何で」

「唯一無二じゃないから」

「そういうの嫌い？」

「区別なんかつかないほうがリアルでしょ」

「そんなものかな」

「そんなものだよ」

「星はずっと前から綺麗だったよ」

「何それ」

「私たちが出会う前から星は綺麗」

「そうかも」

「いつの光を見ているんだろうね」

「星になりたいな」

「どうしたの」

「誰の前でも平等に光りたい」

「そういうところが好き」

「意味わからないところ？」

「そんな感じ」

「星が降っていると比喩される夜に降っていたい」

「星になりたくなった」

「わかった？」

「全然わからないけど」

「そう言うところが好き」

「意味わからないところ？」

「理解しようとしてくれるところ」

「そんな温かいものじゃないよ」

「私が温かく感じたならそれでいいの」

「ならそれでいいや」

「やっぱり月も綺麗だった」

「月はずっと前から綺麗だったよ」

「あなたといると、って意味」

「気づいた？」

「気づいた」

「流石」

「好きだよ」

「私も」