第175話 プレミスって、『五輪書』に似てるなぁと思う今日このごろ


 みなさん、お久しぶりです。


 このひと月、なにも書いていなかった雲江斬太です。もうエッセイも小説も、何も書いていませんでした。近況ノートだけ、ちょこちょこ書いていたかな。


 なんで何も書いてないかというと、そういう気にならなかったからです。書きたくないから書かない。そこで無理すると、本当に書けなくなること、ありますからね。



 で、かわりに、プロットを考えてました。


 将門公に薦められた『ピーチ・プラスワン』のプロットを、です。



 ざっくり概要説明します。


 むかしカクヨムに登録したころ、神田明神にお参りに行ったんです。

 よく覚えてないのですが、そのとき、カクヨムに関してなにかをお願いしたんです。

 すると、帰りの電車で、持ち歩いていたノートPCの電源が勝手に入ったんです。しかも、何度も。


 え? もしかして明神さま、ぼくの小説読みたいの?と思い、当時カクヨムにアップしたばかりの小説を開いて、ざーっとスクロールしました。すると、パソコンの勝手な起動は止まりました。


 が、その数日後。

 くだんの小説のあるエピソードに、いきなりPVが100、ついたんです。

 ちなみに他のエピソードはだいたい2から3のPV。いきなりひとつのエピソードだけ100も閲覧されるわけがない。


 ということがあり、小説に関したお願いはいつも神田明神に行くことにしていました。



 で、先日初めてぼくは、神田明神に「書籍化」をお願いしました。実はこの「書籍化」であったり、「出版」であったり、「受賞」とか「プロになりたい」とかは、お願いしたことがなかったんです。あくまで、神頼みではなく、実力で書いていこうと考えていたからです。


 もっとも、スポーツとかギャンブルとかの勝負事じゃないので、小説なんて実力で書く以外にありませんけど。



 ですが、投稿を現実のものとして考えて、ぼくは先月初めて「書籍化」そして「プロとして書く」ことをお願いしました。いえ、本来神様にはお願いするのではなく、決意を表明するのだそうです。

 なので、神田明神と将門公の首塚、両方にお参りして、「書籍化」と「プロとして書く」ことを決意表明し、その前提でプロットを書くことを誓いました。


 その数日後、夢のなかでぼくが考えていたのが、『ピーチ・プラスワン』のプロットでした。そして、そのプロットをひと月くらい考えてましたよ。

 正直、きつかったです。


 が、まあ、なんとか形になりました。どんな形かはここでは書きませんが。



 小説を書くときは、まず思いついたネタがあり、そこからざっくりしたアイディアを決めるという工程は、みなさんだいたい同じだと思います。

 そこからどうやって完成品を作るかは人それぞれでしょうが。


 正直『ピーチ・プラスワン』は、このネタとアイディアが弱かった。そこが弱いと、正直どうにもならないですね。

 今回はなんとかプロットをひねり出しましたが、まだまだ先は長そうです。基盤がしっかりしていると、その工程も楽なんでしょうが。



 いっぽう、『怪盗美少女アルセーヌ・ルパ子の冒険』は、骨格となるプロットができているので、そのまま置いてありますが、こちらはほんと楽でした。



 子供向けの小説を書こうとして、怪盗ものにしようと考え、「アルセーヌ・ルパ子」の名前を思いつきました。あとはもうプロットまで一直線でいけています。

 主人公のルパ子は真面目な少女。おじいちゃんから伝えられた怪盗術を伝承するため、怪盗美少女アルセーヌ・ルパ子として活動します。ただし、盗むことによって、人を助けるのがポリシー。そういう話です。


 ただし、このアイディア、もうこの段階で、ルパ子のなかに矛盾があります。いくら人を助けるためとはいえ、盗みは悪いことです。ここにルパ子の矛盾、葛藤がすでに存在します。


 この段階まで、いまだ『ピーチ・プラスワン』のプロットは到達していません。





 それにしても……。



 面白い物語を書きたい。

 ぼくはその方法を何十年も研究してきました。


 いまは、こう思います。


 面白いか、面白くないかを決めるのは、最初のネタと、つぎのアイディアの段階です。ここで面白いアイディア、もしくは面白いタイトルや面白いキャラクターを思いつければ、OK。あとは楽に進みます。




 ちなみに。

 フィルムアート社さんの連載で触れられていたプレミスを『ピーチ・プラスワン』で書いてみました。正直、プレミスは面白い話を書く役には立ちません。が、面白くない話の欠点を見つけるのには役に立ちます。


 『ピーチ・プラスワン』では、まだまだ冒頭の主人公の行動理由が弱いことに気づきました。



 プレミスは、宮本武蔵の『五輪書ごりんのしょ』に似てますね。

 『五輪書』は、あれをどんなに読んで、人は1ミリも強くならないけれど、そのレベルに達した人が読むと書かれていることが理解できます。

 ああ、自分はいまこの段階に到達したのだな、とよく分かる内容です。


 プレミスも同じ。


 面白い話を作る役には微塵も立たないけれど、それが面白くない話であることは試算できる。

 そもそも、面白さは、プレミスを書く以前の段階で決まってしまっているわけだから。


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